【福岡市中央区でゴミ屋敷清掃】7年間引きこもっている息子様の事例
福岡市中央区でゴミ屋敷片付け・汚部屋清掃を行っている業者「アークサービス」です。
今回ご紹介する事例は、福岡市中央区にお住まいの50代女性、I・Fさまより、「息子の部屋を片付けてもらいたい」とのご依頼をいただいたときの事例です。
ご相談内容
I・Fさまからはお電話でご相談をいただきました。
しかし、「一部屋だけの片付けもお願いできるのでしょうか」という声は非常に暗いものでした。
「実は・・・人様にお話できるようなことではないのですが・・・引きこもっている息子の部屋を片付けていただきたいのです」
「ちょっと、、、私では手がつけられなくて・・・」
「自分たちで処理しなければならない問題だとわかっているのですが、助けていただけないでしょうか」
非常に話しづらかったのでしょう。その声は小さく、消え入るように話してくださいました。
実は、このように身内の引きこもりに関するご相談は少なくないのです。一例を紹介すると、15年以上引きこもり、その間、家族とほとんど顔を合わせることなくゴミ部屋化してしまった実例や、8年間の引きこもり生活から脱出し、現在では普通の暮らしをしていらっしゃる実例などがあります。
いずれのケースも、ご本人さまが悩まれている以上に、そのご家族の方が悩んであることがほとんどで、ご相談いただくときは、「悲しみ」「怒り」「憔悴」といった不安定な感情のご家族様が多いです。
今回のご相談でも、お母様であるI・Fさまお悩みが、その声色からにじみ出ているように思えました。
片付けに関しては弊社の得意とすることですので問題ありません。まずは部屋の状況を確かめるべく、I・Fさまのご自宅に伺うことになりました。
お見積もり
場所は福岡市中央区。I・Fさまのご自宅は住宅街にあり、築年数の古い戸建てでした。
インターフォンを押し、中へ招かれます。玄関口でご挨拶したときのI・Fさまは非常に疲れていらっしゃるように見えました。
「今日はすみません。どうぞお入りください」とI・Fさま。
I・Fさまのご自宅は一見すると普通のお宅です。「こちらです」と玄関正面にある2階への階段にのぼっていきます。
ここで「ギョッ!」としたのですが、階段を上がったすぐの壁に穴が空いています。胸あたりの位置に3ヶ所。足元に1ヶ所の計4ヶ所の穴でした。
「驚きますよね。息子がやったのです」
お話によると、引きこもり始めた当初は親子喧嘩が絶えなかったとのこと。そのときに「腹いせ代わりに壁を殴り穴を開けてしまった」「一度は修理したが何度も殴って穴を開けるのでそのまま放置していた」と苦笑いで話してくださいました。
平静を装っていましたが、このような現場ははじめてでしたので驚きました。
ここで私から「部屋に息子様はいらっしゃるのですか?」と質問したところ、
「今はおりません。・・・どう話てよいのかわかりませんが・・・実は今入院しているのです」
「そうなのですね。わかりました」と私。何か事情があるようですので、これ以上の詮索はやめ、さっそく部屋を確認させていただくことにしました。
さて、問題の部屋につきましたが、廊下はお母様が掃除されているのかきれいです。中を確認しようとすると、「電気がつかないので見えにくいかもしれません」とのこと。了承しドアを開けます。
すると目前にダンボールで壁ができており入ることができません。また、お話のとおり電気もつかず、カーテンも締め切られていたため薄暗い部屋でした。
このときの写真が以下の1枚です。(この写真では、ダンボールを少し移動させカーテンを開けて撮影しています)
写真ではわかりにくいですが、ダンボールの下にはさまざまなゴミが散乱しており、「ペットボトル」「ゲーム機」「ゲームソフト」「雑誌」「漫画」「パソコンの部品」「絡まった大量の配線」「お菓子の袋」「コンビニ弁当の容器」などで、その堆積量は膝丈ほどでした。
また、ベッドも半分ほどゴミに埋もれた状態で、その僅かな隙間で寝ていたことが想像されます。たしかに、この不用品の量を素人の方が片付けるとなると難しいと言わざるを得ません。
ここから実際にお見積もりをするのですが、どうしても気になることがあります。それは、「何を残すのか」です。部屋の主がいない以上、何を残して何を処分してよいのかわかりません。
このことをI・Fさまにたずねてみました。すると、
「今回を機に部屋を片付けることは伝えています。一応、『ゲーム・漫画関係のものは残しておいて欲しい』とのことでした」
「家具についてはきれいなものだけ残しておいていただけると助かります」
「恥ずかしながら息子の部屋に何があるのか私にはわかりませんので、その都度教えていただけないでしょうか」
このようなご希望でした。ご希望を考慮し、適切なお見積もりを提示すると、「はい、その金額で結構です。よろしくお願いします」とその場でご契約頂きました。
お見積もりが終わり階段を降りようとしたところ、I・Fさまから次のような質問がありました。
「どうなんでしょう。うちと同じような悩みの方っていらっしゃるのですか?」
私は「決して多いとはいえませんが、同じようなご相談を受けることはありますし、実際に部屋の片付けに伺ったこともあります」と答えました。
「そうなんですね・・・」
「同じような人がいると聞いて、少しホッとしました」
「実は・・・息子が引きこもりはじめたのは、高校で『いじめ』にあっていたのが原因なのです」
「それからもう7年以上引きこもっています」
「当初は原因を聞いても話してくれず・・・当たり前ですよね。いじめられているなんて親に話にくいですもんね」
「そんな息子の気持ちがわからず、なんであんなに怒ってしまったのか・・・」
「ちょうどこの階段でいつも一方的に叱ってしまっていました」
「まったく気がつけなかった自分が情けなくて、息子には申し訳ない気持ちでいっぱいです」
そう話すI・Fさまの目は赤く、声は震えていました。私は何も言えず、頷くしかできませんでした。
この話を聞いた帰り道、「もし自分の子供がイジメにあったらどうすればいいのだろう。引きこったらどうすればいいのだろう」と自問自答しながら車を運転していました。
作業内容
作業はお見積もりから2日後に行うことになりました。
I・Fさまには立ち会っていただき、要不要を確認してもらいながら作業を進めていきます。
まずは明らかなゴミを次々に搬出していきます。上部にある大きなゴミがなくなると、今度は下に溜まっている細々したものを分別していきます。
この現場では、テレビ、パソンコン、ゲーム機などの配線が大量に絡まっており、非常に作業がしにくい現場でした。また、これらの配線はゴミに埋もれているため、ゴミを分別しながら進めていかなければいけませんでした。
男性の部屋の傾向として、漫画、ゲーム、パソコンは必ずでてきます。とくに長い期間引きこもっていた息子様は、これらのもので時間を潰されていたのだと推測されます。
しかし、漫画などの紙類は、ひどく汚れているものも多数出てきました。これらのものはお母様に了承を得、処分することになりました。
また、布団もひどく汚れていたため処分。衣類も汚れているものは処分となりました。これを機に、新しいものをすでに購入されているそうです。
作業をしていると、いたるところに「髪の毛」が落ちています。髪の毛が落ちていることは珍しくないのですが、その量がやたら多いのです。おそらく、伸びてしまった髪の毛を、息子様はご自身で切っておられたようです。
ひとつ気になることがありました。引きこもっているというお話でしたが、比較的新しい雑誌やゲームソフトなども目につきます。「たまに外に出かけられることはあったのですか?」と尋ねてみると、
「7年間ずっと部屋の中、というわけではなく、深夜にコンビニまで出かけたりはしていました」
「このことについても最初は怒っていたのですが、今では何も言っていません」
なるほど、たしかにずっと部屋にこもりきりというのは現実的ではありません。自分の引きこもりに対する認識不足を感じました。
ここで一緒に作業をしているI・Fさまが、「こんな部屋で生活させていたと思うと情けないです」とポツリ。ここでも何も言えない私。沈黙が少々気まずかったことを覚えています。
作業そのものは、ゴミが多いとはいえ6畳一部屋のため3時間程度で終わらせることができました。最後に隅々までクリーニングを行い作業は終了です。
I・Fさまが次のようなお話を伺いました。
「ありがとうございました。これでいつ退院してきても大丈夫です」
「今入院しているのが、長年引きこもっていたことが原因で、体力と筋力が異常に落ちていたみたいなのです」
「それが原因で階段を踏み外し、アキレス腱を切ってしまったんです。歯も折ってしまって・・・」
「深夜にすごい音がして、心臓が止まるかと思いました!」
「あっ! ごめんなさい。こんな話ばかりして」
「でもいろいろと聞いてくれたので嬉しかったです」
このようなお話でした。他人には話しづらい内容だと思いますが、これまで苦労された反動か、誰にも相談できなかったからか、こちらが驚くほどたくさんのお話をしていただけました。
再度お礼の言葉をいただき、今回の作業は終了です。
今回の現場では、引きこもりについて学んだことが多かったです。また、引きこもっている本人様と同様に、その家族の方も悩んであることを実感として学ぶことができました。
同じようなお悩みをお持ちの方はご相談ください。環境が変わることで心に変化が生じることもあります。まずは部屋をきれいにしましょう。そのためのお手伝いをさせていただきます。
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