【糟屋郡宇美町でゴミ屋敷片付け】家族の方が精神的に疲れてしまった事例

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宇美町でゴミ屋敷片付け・汚部屋清掃を行っている業者「アークサービス」です。

 

今回は汚部屋にしてしまった本人よりも、そのご家族のほうがストレスを感じてしまっていた事例紹介です。

 

ご相談内容

K・T様よりご相談いただいたのは、お電話からでした。

 

「部屋がひどいことになっているので、片付けをお願いしたいのです」

 

「実は、私には弟がいるのですが、その弟が精神的な理由で、現在病院に入院しています」

 

「今回片付けをお願いしたいのが、その弟の部屋なのです」

 

「こちらにご相談する前に、別の業者に相談したのですが、あまりにも高額な料金を提示されてびっくりしました。とてもではないですが、支払える金額ではないので断りました」

 

「そうしたら、その業者がいうには『どこも同じような金額ですよ』と言われ、とても困ってしまいました」

 

「このようなこともあり、少し不安なのですが、一度、部屋を見ていただいてもいいでしょうか」

 

K・T様からのご相談は、上記のようなものでした。もちろん「お見積りに伺います」とお伝えすると、さらに次のようなことを話されました。

 

「あと……とても話しにくいのですが、入院している弟の話によると、『尿』をペットボトルなどに溜めているそうなのです。それが、どのくらいの量があるのかが、本人でもわからないそうです」

 

「このような場合でも、大丈夫でしょうか」

 

このような内容を、とても話しづらそうに話してくださいました。K・T様には、「問題ない」ことをお伝えし、一度部屋の様子を見せていただくことになりました。

 

お見積り

K・T様は仕事がとても忙しいらしく、お見積りは1週間後になりました。お約束の日に、今回の現場である福岡県糟屋郡宇美町まで向かいます。

 

玄関では、K・T様に笑顔で出迎えていただきました。さっそく中へ案内されますが、「ガラスが割れていて危険なので、土足で入ってください」と、靴を履いたまま中へ入るようにすすめられました。ここは遠慮せず、土足で中へ入ります。

 

まず、1階部分を拝見したところ、とてもきれいに手入れされており、清潔です。

 

問題の部屋は、2階の部屋だそうです。階段を上がって、2階の廊下にはすでにゴミが散乱していました。弟様の部屋に近づくにつれ、ゴミの量が増えていきます。このときの様子は、以下の写真で確認できます。

 

事例画像

 

事例画像

 

左の写真が階段を上がった直後の写真です。右の写真が弟様の部屋へと続く廊下の写真です。この奥が弟様の部屋になります。

 

入りきれないゴミが、部屋からあふれ出しているのがわかります。部屋を確認するだけでも、ゴミの上を踏みしめていかなければなりません。さらに、ガラスが割れており、非常に危険です。そして、問題の弟様の部屋に到着しました。

 

弟様の部屋にたどり着いたものの、一歩も中に入ることができません。部屋のゴミは、高いところで人間の肩の位置まで堆積しています。このとき撮影した写真が、以下のものになります。

 

事例画像

 

事例画像

 

この写真は、部屋の入り口から撮影したものです。

 

部屋の入り口付近に、テレビが置いてあるのが確認できると思います。これは私の推測になりますが、まだゴミがないときには、テレビは部屋の奥に設置してあったものと思われます。

 

しかし、精神的な疾患を患ったことで、どんどんとゴミが堆積していきます。すると、テレビがゴミに埋まってしまうため、ゴミより前にテレビを移動させなければなりません。

 

そして、さらにゴミが堆積することで、徐々にテレビをずらしていった結果、部屋の入り口までテレビを移動させたものと思われます。したがって弟様は、テレビの前(部屋の入り口付近)のゴミの上で生活されていたと推測されます。

 

「弟様は、こちらで生活されていたのですか」とK・T様に尋ねてみると、「実は、知らないのです」と驚きの答えが返ってきました。さらにK・T様は、次のように話してくださいました。

 

「先日お話したように、弟には精神的な疾患があるため、長い間部屋に引きこもっていました。そのため、一緒に住んではいるのですが、ほとんど顔を合わせたことがありません」

 

「他にも、これまでに家族間でいろいろとトラブルがあり、10年以上前から食事以外は(弟と)一切接触を持たないようになりました」

 

「そのため、私たちが2階に上がることはこれまでありませんでした。接触を持たないことが、お互いのために良いと判断したのです」

 

「残酷なように聞こえると思います。ただ、本人(弟)が一番辛いのはわかっているつもりなのですが、私たち家族の者も同様に辛いのです」

 

K・T様は、このように今の心情を打ち明けてくださいました。

 

弊社は、これまでにさまざまな案件を経験してきました。ほとんどの場合は、自分自身で部屋を汚してしまったため、自分で後始末をするために依頼されるケースが多いです。

 

しかし、中には今回のケースのように、身内の人間が部屋を汚してしまったため、その家族が後始末をしなければならない事例も少なくありません。

 

そのような場合、一様にその口は堅く閉ざされていることが多いです。やはり、身内の者のことを話すのはためらってしまうものだと思います。

 

ただ、K・T様は隠さずに話してくださいました。これは、身内の悪口を言うためではありません。このような事態に陥ったとき、家族の者もどれだけ辛い思いをしているのか、知ってもらいたかったのではないかと思います。

 

このあと、確認しなければならないことがあります。それは、「尿」の存在です。お電話で聞いた限りでは、「どれだけあるかわからない」とのことでしたが、これを確認しなければなりません。

 

入り口付近の紙パックを手にとって見ると、重量があり何か入っているようです。その他、缶やペットボトルと、手当たり次第に確認してみますが、ほぼ全てのものに液体が入っています。

 

中身の色から推測すると、おそらく全ての容器には、尿が入っている前提で仕事をしたほうが良いと判断しました。

 

以上のことを踏まえたうえで、お見積り金額を提示します。するとK・T様は、「他の業者さんよりもはるかに安いです。しかし、それでも私には大変な金額です。一度検討させていただいてもいいでしょうか」とおっしゃられました。

 

弊社では、お見積り後じっくり考えていただくこともできるので、「もちろん大丈夫です」と快諾させていただきました。K・T様は、「明日中にはお返事をします」とお約束をいただき、本日は帰ることになりました。

 

次の日の夜、K・T様からご連絡がありました。「やはりお願いします。料金的にも心情的にも、アークサービスさんにお願いしたいです」とおっしゃっていただき、正式にご契約となりました。

 

その後、作業の日程や開始時間をすり合わせ、1週間後に作業を開始することになりました。

 

作業内容

お約束の日に、今回の現場である福岡県糟屋郡宇美町へ向かいます。K・T様とのご挨拶をすませ、作業内容の再確認を行います。

 

今回の作業内容は次のようなものでした。

 

  • ゴミに埋もれてしまっている貴重品の探索
  • 写真、DVD以外のものは、全て処分
  • 個人情報が記載されているものは分けておく
  • 今後この部屋を使うことはないので、ルームクリーニングの必要はない

 

このような内容で作業を進めていきます。K・T様が、事前に弟様に了承を得ているとのことで、「気にせずバンバン片付けてください」と笑顔でおっしゃられていました。

 

写真、DVD以外のものは全て処分とのことですが、どの現場であっても、必ず処分していいものか判断の困るものが出てきます。たとえば、まだ使用できる家電やゲーム機、そして最も判断に困るのが、思い出の品です。

 

今回は立ち会ってくださるそうなので、その都度確認ができるため安心して作業ができます。また、「作業の手伝い」を希望していただきましたが、室内が非常に狭く移動することも困難です。そのため、作業人数が増えてしまうと逆に効率が悪くなってしまいます。

 

以上のことをご説明し、始めのうちは弊社スタッフのみで作業に当たらせていただくことになりました。

 

まずは、いつもどおりに通路の確保から行います。廊下に散乱しているゴミを撤去し、作業の効率化を図ります。廊下にも、中身の入ったビンや紙パックが多数転がっています。これらのものをまとめてトイレまで持っていき、次々と流していきます。

 

通路が確保できた時点で、部屋のゴミに取り掛かります。ここでも、大量の尿が出てきます。ひたすら部屋とトイレを往復し、少しずつ作業範囲を広げていきます。このときの作業の様子が以下の写真になります。

 

事例画像

 

事例画像

 

ある程度床が見えてくると、さらに作業効率が良くなります。ただ、やることはこれまでと同じく、ゴミの袋詰め・貴重品の探索・ペットボトルの中身の処分です。

 

スタッフの一人は、トイレに篭ったまま、ひたすら尿を捨て続けます。残りのスタッフは、ひたすらゴミを搬出します。どれだけ掘り進めても、尿の入ったペットボトルは出てきます。

 

雑誌などの年号を見てみると、今から10年以上前のものが発掘できます。このことから、10年以上前から病気で苦しんでおり、ゴミや尿を溜め込まれていたことがわかります。

 

これだけ長い間病気に苦しみ、辛い思いをしてきた弟様ですが、同時に、10年以上辛い思いをされてきたご家族の方の心情はどのようなものであったでしょうか。

 

作業も終盤を迎え、さらにやる気が出てきます。途中経過の様子は以下の写真で確認できます。

 

事例画像

 

ここまで来れたときには、ラストスパートをかけて一気に終わらせます。最終的に出てきた尿入りのボトルは、400本を超えていました。トイレ担当のスタッフは、さすがに少し音を上げていたようです。

 

また、一番古い雑誌の年号を確認すると、15年前のものを発見することができました。K・T様のお話によると、「たしかに、ちょうどそのくらいの時期から引きこもっていたと記憶しています」と話してくださいました。

 

その他、長年ゴミに埋もれていた畳には白カビが発生し、一部は完全に腐食しています。以下の写真は、搬出直後の写真と腐食した畳です。

 

事例画像

 

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天井を見てみると、雨漏りをした形跡があります。この雨漏りが原因で、畳が腐食したものと思われます。

 

K・T様のご希望で、部屋の襖も全て処分します。畳や壁の状態が著しく悪いため、リフォームのご提案もしてみましたが、「今後この部屋は使うことはない」ということで、リフォームは行わないことになりました。

 

最後に、簡易清掃を隅々まで行い、今回の作業は終了です。

 

K・T様に、今回の事例を「弊社のホームページで、紹介させていただいてもいいですか」と尋ねてみました。すると、「私たちと同じように苦しんでいる人もいると思うので、記事にしていただいても結構です」と快諾してくださいました。

 

同時に、「(ゴミ部屋問題で)一番辛いのは本人であることは間違いないと思いますが、その家族の人間も大変であることをわかってほしい」ともおっしゃられていました。

 

弊社では、さまざまな事情から片付けることができなくなった方や、その家族様のために「片付けサービス」を提供しています。

 

今回の事例のように、本人様だけではなく、そのご家族様からのお悩み相談も受け付けております。ぜひご相談ください。

 

→ 【画像あり】実際にあった驚きの事例を見てみる 福岡の事例パート1 福岡の事例パート2

 

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