ゴミ部屋とダニ:ダニで痒くならないための対策と駆除方法

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ダニは人間にとって最も実害の多い害虫です。

 

そのほとんどは1mm以下の極小の節足動物です。昆虫ではありません。現在2万種以上のダニが確認されていますが、人間の生活圏で見られるのは10種ほど。そのほとんどは自然の中に生息しています。

 

ダニはありとあらゆる場所に生息しており、家屋はもちろん、土の中、水の中など自然の中でダニがいないところはないくらいです。目には見えない小さな同居人はどのような生態をしているでしょう。

 

ダニの生態

 

ダニがもっとも活発になるのは、気温と湿度が高くなる梅雨時期です。気温、湿度、食料などの条件が揃うと爆発的に繁殖し、人間に害をもたらします。

 

食欲

 

特に好物なのが人間の老廃物です。例えば、フケやアカはダニにとってご馳走です。その他、人間の食べかす、髪の毛、カビ、微生物などもダニの食料になります。

 

繁殖力

 

屋内のダニはおおよそ10日〜1ヶ月ほどで成虫になります。その一生で産卵される卵は100個程度です。繁殖を抑える対策をしていないと、爆発的に増えてしまいます。

 

好きな場所

 

温度・湿度・えさの3拍子揃った場所を好みます。カーペット、畳、布団、ソファなどどこにでもいますが、特にお布団には大量のダニが住みついています。一説によると、一組の布団に10万匹以上のダニが確認されたとか。

 

発生の原因

 

ゴキブリと同じく外から侵入してきます。

 

侵入といってもガサゴソ這って侵入するのではなく、人間の髪、皮膚、衣類などに付着して堂々と玄関から入ってきます。

 

目で確認できないため、知らないうちに人間が運んできているのです。また、とても小さく軽いため、ホコリに張り付いて風とともに窓から入って来ることもあります。

 

したがって、人間が生活する限りダニの侵入を防ぐ手段はありません。ダニ対策には、侵入ではなくいかに繁殖を防ぐことができるかが重要になってきます。

 

ダニの実害

 

ダニと聞いて一番に思いつくのは「かゆみ」ではないでしょうか。

 

これは、蚊にさされたときにかゆくなるのと同じで、血液を固めないためのヒスタミンを注入されたことによる「アレルギー反応」でかゆくなっています。しかも、ダニ(ツメダニ)は吸血しません。血を吸わないにもかかわらず、ただ刺していってるだけなのです。

 

そして、厄介なのがその死骸や糞がアレルゲンになることです。アレルゲンとはアレルギーの原因になる物質のことで、アレルギー疾患を持つ人の体内にアレルゲンが入ると、抗体と反応し様々な症状が出ます。

 

ダニアレルギーの代表的な症状は、アトピー性皮膚炎・気管支喘息・アレルギー性結膜炎・アレルギー性鼻炎が挙げられます。

 

ダニアレルギーの方が最も注意しないといけないのがアナフィラキシーショックです。通常ダニアレルギーの方の症状として上記のような症状がみられますが、ダニの大発生などで大量のアレルゲンが 体内に侵入すると重度のアレルギー反応が出てしまいます。

 

これをアナフィラキシーショックと呼び、吐き気や呼吸困難、ひどいときは急激な血圧低下による意識障害を起こし、最悪の場合死に至ります。

 

ダニの種類

 

人間の生活圏で見られる代表的なダニは次のとおりです。

 

チリダニ

 

屋内ダニの約90%を占めるのがこのチリダニ類。チリダニの主な種にヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニの2種類があげられます。体調0.4mm程度のダニでハウスダストに多く、部屋中どこにでも生息しています。人間のアカやフケ、カビに昆虫の死骸と食べられるものは何でも食べます。

 

人間を刺して害を及ぼすことはありませんが、チリダニの糞や死骸はアレルギーの原因になる事が多く、喘息やアレルギー疾患を引き起こします。

 

コナダニ

 

コナダニは条件がそろった環境では畳一面に白い粉をまぶしたように見えるほど大発生します。白くうごめく様子は嫌悪感を感じますが、コナダニは人間への実害はありません。

 

食品についたコナダニを食べてもなんら問題ありません。むしろ栄養になるかもしれません。新しい畳や保存食などに多く生息しています。

 

ツメダニ

 

屋内ダニの約5%がこのツメダニ。やはり夏場の気温が高く湿度も高い時期に発生します。ツメダニは他のダニの体液を吸って生きており、捕食対象であるチリダニやコナダニが大発生するとツメダニも大発生し人間に被害をもたらします。

 

ダニに刺されて痒くなるのは、そのほとんどがこのツメダニに属します。ツメダニに刺された箇所は赤くはれ上がり、激しいかゆみを伴います。かゆみは一週間ほど続き刺された跡がしばらく残ります。

 

イエダニ

 

体長0.7mmと他のダニに比べると大型の種。主にネズミの血を吸うので人間への被害は少ないのですが、吸血対象のネズミが著しく減少した場合人間の血を吸います。

 

乳白色の体色ですが吸血後は赤黒く変色し、家の中で赤いダニが徘徊している姿が目撃されます。イエダニも刺された箇所は激しいかゆみを伴う為つい掻き毟ってしまい、それが原因で細菌による二次感染の危険性もあるので注意が必要。

 

マダニ

 

体長2.5mm〜10.0mmとダニの中では最大級の大きさです。野生動物・家畜・ペット・人間と陸上の生物はすべて吸血対象です。アウトドアのときなど特に注意が必要で、手足の露出部分を減らし、虫除けをしっかりと塗りましょう。

 

万が一マダニに吸血された場合は無理にはずそうとすると、皮膚に差し込んでいる口器が皮膚内に残って化膿するで注意が必要です。マダニは吸血対象にとりつき数日間かけて血を吸い、おなかいっぱいになると地面に落ちて身を潜め次の獲物が通るのを待ちます。

 

ヒゼンダニ

 

0.2mm程度の極小サイズのダニ。肉眼で見つけることは不可能で、人間に寄生し繁殖もする厄介なダニです。皮膚の角質にもぐりこみトンネルを作ってその中に寄生し、皮膚の下で動くため特に激しいかゆみに襲われます。

 

これを『カイセン(疥癬)』といい、寝たきりの老人に感染しているケースが多くみられます。恐ろしいことに感染力が非常に強く、感染者に接触するだけでどんどん広まっていきます。 感染が認められた場合、その周囲の人も検査を受けたほうがいいでしょう。

 

ダニ対策

 

ダニの対策で最も重要なことは繁殖を抑えることです。ダニが大繁殖する条件は、次の3つになります。

 

@高温多湿 気温20〜30℃、湿度70%以上
Aえさが豊富である
B住処がある

 

それでは、一つずつ見ていきましょう。

 

@高温多湿対策

 

日本の夏は、高温多湿でダニが繁殖するには絶好の条件が整っています。手軽にできる対策は、空気の入れ替えです。

 

部屋を閉め切っていると湿気がこもり、ダニが好きな環境になってしまいます。天気のいい日に窓を開けて風通りを良くするだけでも繁殖対策になります。さらに気分も良くなり一石二鳥です。エアコンの除湿や除湿機も効果的です。

 

ダニは湿度が55%をきると生きていけません。さらに、ダニのえさとなるカビの繁殖を抑えることができます。湿度計を購入して目で確かめてみてもいいかもしれません。

 

Aえさ対策

 

これはこまめな掃除しかありません。
人間は常に代謝を続け老廃物を出しており、目に見えないアカやフケは床やカーペットに落ちます。理想は毎日ですが毎日はしたくありませんので、最低でも1週間に1回は掃除機がけをしましょう。

 

B住処対策

 

布団やソファーをなくすことはできませんので、繁殖しにくい環境を整えます。住処対策の基本は掃除機がけになります。

 

布団

 

布団のダニ対策は天日干しが基本ですが、天日干しでダニが全滅することはありません。ダニは50℃以上の高温だと約20分で死にますが、天日干しではそこまで温度が上昇しません。

 

たとえ高温になっても、布団の奥に逃げてしまいほとんど効果はないようです。しかし、湿気を飛ばすことができるので、ダニが大好きな湿気が少なくなり繁殖を抑えることができます。

 

布団を干すとき、パンパンと叩いている人をみかけます。ホコリが舞っているように見えて、きれいになった気がします。ですが、これは絶対にしてはいけません。

 

ダニは布団の奥に潜んでいます。当然布団の奥で糞をします。死んでしまうダニもいるでしょう。布団をたたくと、その死骸や糞を粉々にし、かえって人間が吸い込みやすくなってしまいます。

 

したがって、布団干すときは叩かずそのまま干して、取り込んだ後に掃除機がけをすると効果的です。

 

※パンパンたたくとホコリが舞っているように見えますが、これはホコリではなく布団の繊維が飛び出てきているだけなので意味がありません。むしろ繊維を傷つけ、布団の寿命を短くしてしまいます。

 

カーペット・畳

 

上記でも紹介しているとおり、カーペットや畳には常に人間の老廃物が付着しています。これを掃除機で吸い取ります。畳は畳の目に沿って、カーペットは毛足に沿ってかけると効果的です。

 

ただし、生きているダニは鋭いつめでしがみつく習性があるため簡単にはとれません。ゆっくりと丁寧に掃除機をかけましょう。

 

電気カーペットの場合、ダニ退治用の高温設定があるものがあります。しかし、高温でダニを退治した後も死骸や糞は残るので掃除機をかけましょう。

 

畳は年に一度は天日干しをして、たまった湿気を取り除いてあげると効果的です。

 

ソファ

 

ソファや座椅子は、稼動部の隙間やマットとマットの間に隙間があり、ダニの住処として好条件です。くぼみや隙間を重点的に掃除機をかけます。

 

家庭でできる、ダニの駆除方法

 

いたるところにいるダニですが、ダニの効果的な駆除方法はどのようなものがあるでしょう。家庭でできるダニの駆除方法です。

 

手軽なダニ駆除方法

 

まずは殺虫スプレーを使用し、ダニを殺してしまいます。ほとんどの殺虫剤は30分もすると乾くので、ここで掃除機を使いダニの死骸を除去。ダニの死骸と糞が一番のアレルゲンとなるので掃除機がけは重要です。最後に防ダニ剤を設置してダニを寄せ付けないようにすれば完了です。

 

布団乾燥機は効果的

 

ダニは布団が大好き。一番の発生源である布団は布団乾燥機を使用すると効果的です。高温の温風を送り出すことでダニを死滅させます。湿気だけでなく、ダニそのものの駆除もできます。

 

ただし、短時間では布団の奥まで熱が伝わらないので、2時間はしっかりと乾燥機をかけてください。もちろん終わった後の掃除機がけは忘れないようにしてください。

 

スチームアイロンで駆除

 

スチームアイロンの高熱で瞬殺する方法です。ダニは65℃以上の熱で死滅します。スチームアイロンの蒸気は100℃を越えますのでまさに瞬殺です。とても効果的ですが、熱に弱い素材には使用しないでください。


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