ゴミ部屋とシロアリ:シロアリの生態・対策・駆除
住宅をボロボロにすることで有名なシロアリ。実際の現場でも良く見かけます。シロアリの巣を発見すると、依頼主様は皆さん驚かれます。
シロアリは住宅にとっても最も実害の多い害虫です。そのような被害にあわないためにも、ここではシロアリのについて解説していきます。
シロアリの種類
主に被害をもたらすシロアリは次の2種類のシロアリです。
・ヤマトシロアリ
全国に分布し、湿った木材を食害します。一つのコロニー(巣)に、数万匹で生息します。水漏れがある場合は、床下だけでなく天井裏まで被害が及ぶこともあります。
・イエシロアリ
主に日本西部に分布する個体数が非常に多いシロアリ。百万匹を超えるコロニーを形成し、住宅に被害をもたらします。個体数が多いことから、被害が一気に拡大することがあります。
シロアリの生態
シロアリは自然界においては益虫で、倒木などを分解し自然に返すことができる掃除屋です。莫大な個体数を誇り、食物連鎖の大切な歯車ともなっています。
莫大な個体数を誇るシロアリはどこにでもいます。もともとシロアリがいるところに、人間が勝手に住宅を建てたため、そこにあるエサ(木材)を食べているにすぎません。「シロアリの被害にあった」という言葉は人間のわがままかもしれません。
シロアリの生態について特筆すべきはその繁殖力です。女王蟻は一生の間に百万を超える卵を産卵するといわれています。そのため発見が遅れれば遅れるほど被害は拡大していきます。4月から7月が繁殖期で、この時期に羽アリが発生している住宅は注意が必要です。
主な食料は木や枯れた植物。したがって木製のものなら何でも食べます。現場で見た中では、ピアノの後ろ半分がきれいになくなっていたことがあります。さらにとてつもない悪食で発泡スチロールやプラスチックまで食べます。この貪欲な食欲で住宅を加害していきます。
シロアリの実害
これまでの説明のとおり住宅の食害が主な実害です。
遺品整理を頼まれる場合、古くからの木造一軒家を整理することがあります。何年も動かしていない押入れや、倉庫などを片付けていくと、シロアリの被害にあっていることが多いです。
また、高齢者の一人暮らしでは、隅々まで確認することが難しく、すでに手遅れの状態で解体するしかないケースもありました。
シロアリの被害にあった木材は、中が空洞になっているため触ってみるとミシミシと音を立てフカフカしています。当然耐久力を失いますので、最終的には家の倒壊を引き起こします。
実際、シロアリの被害を受けた階段を踏み抜いてしまい、2階から1階転落した経験があるため、シロアリ被害の恐ろしさを改めて認識することができました。
シロアリ対策
上記のとおりシロアリはどこにでもいますので、その発生を100%防ぐことはできません。
家庭でできるシロアリ対策は床下の換気です。シロアリのほとんどは床下から発生します。特に換気が悪いじめじめした床下はシロアリにとってパラダイスになっていることがあります。
そのため、次のような対策が有効です。
・換気口を塞がない
・庭に水をまかない
・外においてあるものは片付ける
・雨漏り、水漏れは早急に直す
以上の点に注意して我が家を見てみると良いでしょう。
シロアリ駆除
対策をしていても発生するときは発生します。発生してしてしまったシロアリは早急に駆除しなければなりません。シロアリを撃退する薬剤やスプレーなどが市販されていますが、はっきりいって無意味です。
スプレーなどで殺せるシロアリは全体のごく一部に過ぎません。シロアリは完全に駆除しない限り、その旺盛な繁殖力で次から次に沸いてきます。
もし、以下のような異常が見つかった場合は、専門の業者に任せるのが一番です。
・夏に羽アリを見た
・床がミシミシ音が鳴る、フカフカする
・ジメジメしたところがある
・何年も動かしてないものがある
・柱を叩くと音が軽い、柔らかい
・壁に亀裂がある
・床下に盛り上がった土が見える
シロアリは種類によって駆除方法が異なります。自分で判断して後悔しないように、専門家に任せましょう。