はじめての遺品整理

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遺品整理という言葉は聞いたことがあっても、実際にはどのようなものかご存じの方は少ないです。

 

とくに、はじめて遺品整理に直面する方にとっては、「遺品整理ってなにするもの?」「どんなことに気をつければいいの?」と不安を感じるのではないでしょうか?

 

そこでこのページでは、遺品整理の基本から、実際に遺品整理を行うときに注意することについて解説していきます。

 

このページさえ見ていただければ、遺品整理のすべてがわかります。それでは見ていきましょう。

 

遺品とは

そもそも遺品とは何をさしているのでしょうか。

 

遺品とは、亡くなった方が生前に使用していた全てのものをさします。例えば、衣類や家具はもちろん、手帳やメモ紙一つにいたるまですべてのもが遺品となります。

 

遺品の中には財産価値のあるものも含まれます。預貯金、貴金属、保険証券などがこれに当たります。また、パソコンや携帯電話に残されている個人情報も遺品の一つです。

 

これらのものを総称して、遺品と呼びます。

 

遺品整理とは

遺品整理を一言で表すと、「金銭的価値のない遺品を、残すものと処分するものに分けて整理をすること」です。

 

つまり、故人が日常的に使用していた服や、趣味で集めたカメラ、資産価値のない骨董品、その他、普段の生活で使用していた日用品などが対象になります。

 

土地、家屋、現金、有価証券など、相続に関係する資産価値のあるものについては遺品整理の対象になりません。これらのものは相続手続きに従い親族と協議しながら進めていくことになります。

 

言葉にすると、「なんだそんなことか」と思われるかもしれません。しかし、実際に遺品整理をしてみると、その内容はとても大変なものだとわかるはずです。

 

まず前提として、遺品を整理するということは身内に不幸があったときです。そのような辛い中、故人が生前に愛用していたものを選別する作業は心情的にとても苦しい作業になります。

 

また、遺品の量によっては体力的にもきついです。先述していますが、遺品整理では残すものと処分するものに分ける作業を行います。

 

この作業は遺品を1点1点確認しながら行わなければいけないため、莫大な時間がかかることがあります。中には2年以上の歳月をかけて整理を終えた人も実際にいらっしゃいます。

 

さらに、遺品の中には大型の家具や家電製品などの重量物も多いです。このようなものを動かしたり運び出したりする作業は体力に自信のない人や女性には難しい場合がほとんどです。普段なかなか意識しづらい遺品整理は、体力的にも精神的にも大変なものなのです。

 

遺品整理はなぜ行うものなのか

なぜこのように大変な遺品整理を行わなければいけないのでしょうか。

 

弊社が遺品整理のご依頼をいただくとき、よく言われることが「今月中に部屋を明け渡さなくてはいけません」という言葉です。

 

これは賃貸物件でお亡くなりになったケースになりますが、借りていた部屋を大家さんに返すとき、借りたときの状態に戻さなくてはいけません。これを「原状回復義務」といいます。

 

つまり、原状回復義務があるため、部屋を空にしなくては部屋を明け渡すことができないのです。そのため、亡くなった方の家財をそのままにしておくことはできません。

 

遺品整理をする理由として、第一にこのような原状回復義務があるために遺品整理をしなくてはいけないことが挙げられます。

 

そして第二に、空間を適切に利用するために遺品整理を行います。実際の例として、故人の部屋をそのままにしているご家庭は少なくありません。

 

最愛の人を亡くしたことから、故人の品に手をつけることができずそのまま放置していることがあります。遺族の心情を鑑みると、これは仕方のないことかもしれません。

 

しかし、このようにいつまでも故人の品を残していては、今現在、生活している家族の生活スペースが少なくなっているという事実があります。

 

家が広く生活に支障がない家庭であれば問題ないかもしれませんが、そうではない家庭も数多くあります。弊社では業務の性質上、そのような家庭をたくさん見てきました。

 

もし遺品を残すことで家族が困る状況にあるのであれば、今現在生活している人(あなた、もしくは家族)も同様に大切にしなくてはいけません。そのために遺品整理を行う必要があります。

 

遺品整理はいつ行えばよいのか

それでは、遺品整理はいつ行い、いつまでに終わらせないといけないのでしょうか?

 

結論を先に言えば、一般的には四十九日法要の後に行います。相続手続きまで終わっていればなお良いです。また、その期限についてはいつまでに終わらせなければいけないというものはありません。

 

遺品整理に期限はないものの、先述のとおり、賃貸物件の場合は部屋の契約期間が終了するまでに終わらせなければいけません。そのため、四十九日法要を待たずして遺品整理を行うケースも増えています。

 

一方、持ち家の場合は期限がありませんのでつい先延ばしにしがちです。実際にこのような方は多く、仕事が忙しかったり、遠方に住んでいて現実的に難しいといった理由の方が多いようです。

 

しかし、いつまでも遺品をそのままにしておくことはできません。このような場合は、ご自身で期限を設けて整理をするようにしてください。

 

実際に遺品整理を行うときは、ご自身や夫婦だけで始めるのではなく、兄弟や親族に確認を取って行うことも重要です。後々トラブルに発展しないように各方面への気配りを忘れないようにしましょう。

 

遺品整理の本質とは

上記で述べたように、賃貸物件の明け渡しや生活空間の確保をすることは大切なことです。しかし、遺品整理を行う本当の理由は、「心の整理」をつけることにあります。

 

数多くの遺品整理を行ってきた中で、遺品整理をしたことで「気持ちが前向きになった」という方はとても多いです。これは、故人が生前に使用していた品々と一つ一つ向き合うことで、気持ちに区切りをつけることができるからです。

 

「気持ちの整理ができてから遺品整理をします」という相談者がいます。しかし、実際には逆であり、遺品整理をするから気持ちの整理がつくのです。

 

遺品を整理することが辛いからと先延ばしにしてしまうと、

 

実際の例として、何年も故人の部屋をそのままにしている家庭がありました。しかし、息子夫婦と一緒に暮らすことになり、部屋を空けなくてはならなくなったそうです。

 

ただ、依頼主様は故人との思い出が強く残っており、「自分では整理することができない」と話してくださいました。そこで弊社がお手伝いして遺品整理を行ったのです。

 

このときは、整理しなくてはならない状況であったことと依頼主様の頑張りもあり、特に思い出のある品を残し処分することができました。

 

すると、「遺品を整理するとこんなに気持ちが軽くなるのですね」と話してくださいました。このような事例はいくらでもあります。

 

このような事実からも、遺品整理をすることで心の整理がつくことがわかります。故人との思い出を大切にすることは素晴らしいことです。

 

しかし、そのことでまだ生きているあなたや家族が、苦しんだり困ったりすることにならないようにしなければいけません。それができるのが遺品整理なのです。

 

遺品整理は誰が行うものなのか

最近では、遺品整理を業者に頼む人が多くなっています。これは親と子が別々に暮らしており、親が亡くなったあと遺品整理のために実家まで出向くことが難しいことが多いからです。

 

子供には子供の生活があり、遺品整理をするとなるとその生活の合間を縫って行わなければいけません。時代の変化から、このような家庭が増えてきています。

 

しかし本来は、遺品整理は家族みんなで行うものです。故人の遺品としっかりと向き合い、気持ちの整理をつけるためにも、可能であれば家族みんなで行うようにしてください。

 

遺品整理を通じて、なかなか会うことができない親兄弟(姉妹)と顔を合わせるよいきっかけになります。

 

まずは自分達で整理できないかを十分に考え、現実問題としてどうしても遺品整理が難しい場合のみ業者を利用することをお勧めします。

 

遺品整理を行う時の注意点

では、実際に遺品整理を行う上でどのようなことに注意しなければいけないでしょうか。

 

遺品整理というのは人生のうちでそう何度も経験することがありません。そのため、遺品整理を行うに当たってどのようなことに注意しなければいけないのかを知る人は少ないです。

 

思い出の品は後回しにする

弊社に依頼いただき遺品整理を行う際に、依頼主様の作業する手が度々止まることがあります。それは、思い出の品を目の当たりにしたときです。

 

このときは、故人を思い出して目に涙を浮かべる方もいらっしゃれば、懐かしいものを見つけてうれしくなる方の二通りの反応がみられます。

 

いずれにしても、それまで順調に進めていた遺品整理がそこで止まってしまいます。一度や二度程度であれば問題ありません。しかし、これが頻繁になると遺品整理が全く進まない状況になることが多いのです。

 

ましてや、これが作業を促してくれる人がいない状況で一人で行うと、遺品整理が行き詰る可能性が高いです。

 

遺品整理を行う場合、このような思い出の品は後回しにする必要があります。まずはすぐに判断できるものをあらかた片付けて、思い出の品はあとからじっくりと整理をするようにすることが遺品整理をスムーズに進めるコツになります。

 

年単位の整理を見据える

また、上記のようなことに限らず、単純に膨大な遺品の量を整理しなくてはいけないため、時間がかかるケースは非常に多いです。このようなときは、「1年以上かかる」ことを覚悟して遺品整理に取り組む必要があります

 

この心構えがないと遺品整理は挫折します。

 

多くの方が遺品整理は難しいと感じます。それは、遺品整理の経験がないため、どれほど大変なものかを知らないからです。そして実際にやり始めてその大変さを知り、そこでようやく気づくのです。

 

ただ、このとき「遺品整理は時間がかかるし大変なものである」ことを理解した上で取り組むと、挫折する確率が大幅に減少します。

 

また、現実的な問題として、遺品整理をすることができる時間が限られていることも遺品整理を難しいと感じる一因です。

 

遺族様には遺族様の生活があり、その生活の合間を縫って作業を行う人は多いです。ただ、余暇のすべてを遺品整理につぎ込むことは現実的ではありません。

 

毎週のように実家に帰って遺品整理ができれば早く終わるかもしれません。しかし、そのようなことはほとんど不可能に近いです。自分の生活の中で何かしらのイベントがあったり、仕事の疲れから「ゆっくり休みたい」と思ったりするからです。

 

遺品整理には時間がかかることを念頭に取り組み、腰を据えて進めると良いでしょう。

 

第3者を入れることで遺品整理はスムーズになる

遺品整理は、基本的に家族で行うことがわかりました。ただ、実際にはそれが難しいことがあります。

 

例えば、故人との思い入れが強い品については、今後必要がないと頭ではわかっていても手放すことは難しいです。アクセサリーのように小さなものであれば、専用の箱に入れておけば問題ありません。

 

しかし、これが大型の家具であったりペットのケージであったりした場合、これらのものを置く場所がデッドスペース(有効利用されていない場所)になる可能性があります。

 

このように、「思い入れは強いが置いておくことが困難なもの」を整理することに、第3者のアドバイスは重要になります。これは、弊社のようなプロである必要はありません。

 

友人や仲の良い同僚でも良いです。要は、冷静な意見を言ってくれる第3者の存在が重要なのです。

 

これまで実際に行ってきた遺品整理の現場では、遺族の方は感情に左右されることが多いです。そのため、必要以上に遺品を残してしまうことがあります。しかし、これは身内の死という辛い経験をしたあとのため、仕方のないことです。

 

ただ、そうは言ってられない状況であることもあります。例えば、賃貸物件のため早急に部屋を明け渡さなければいけない場合や、そもそも家具を置いておくスペースがない場合などです。

 

このようなときは、信頼できる第3者を招き入れ、相談しながら整理をすることをおすすめします。特に、必要であれば言いにくいことでも正直に話してくれる人ならばなお良いです。そうすることで、感情的に決めてしまうようなことでも、冷静に判断することができます。

 

また、第3者と遺品整理をするとき、何気ない雑談をしながら行うことも大切なことです。大量の遺品を整理する作業は大変であり、さらに精神的な辛さからなかなか進めることができません。

 

このような状況で、他愛もない雑談をしながら作業を進めると、ことのほかスムーズに整理することができます。ときには思い出話に花を咲かせるのもいいかもしれません。

 

これまで述べてきたように、遺品整理は家族で行うことが基本です。しかし、つい感情的になってしまい遺品整理が進まないときは、第3者の力を借りることも考えてみても良いでしょう。

 

まとめ

このページでは、遺品整理の基本から、実際に遺品整理をする上でおぼえておいていただきたいことを解説してきました。

 

遺品整理は人生で何度も経験することではありません。しかし、いずれは誰もが直面する問題です。

 

ここで紹介している内容は、実際に遺品整理を行ってきた弊社がプロの目線で紹介しているものばかりです。

 

これから遺品整理を行う方のお役に立つことができると幸いです。

 

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