生前整理は目標設定が重要
生前整理を始めるにあたって、なぜ生前整理をするのかを明確にする必要があります。例えば、次のような曖昧な理由で始めてしまうと理想の生前整理はできません。
「テレビで見たから始めてみようと思った」
「人に言われたからやってみようと思った」
「なんとなく部屋が片付くからと思ったから」
このような理由で生前整理を始めても、最後まで生前整理をすることができません。なぜなら、とりあえず始めたところで、どのような部屋にしたいのか、また、生前整理をすることで自分がどうなりたいのかがわからないからです。
そこでここでは、生前整理を始める前に目標を設定することの重要性について解説していきます。
目標があるから理想の生前整理ができる
実際に生前整理を始めると決めたのであれば、しっかりと目標を定めるようにしましょう。例えば、次のような目標を持つと良いです。
・高齢になったときのために安全な部屋を作る
・不要なものを排除し、好きなものに囲まれて暮らす
・家族に迷惑をかけないために生前整理を行う
・早めに思い残しを片付けることで、精神的に穏やかに暮らす
生前整理を始めるためには、このような具体的な目標が必要です。目標を定めることで、その目標にあわせた生前整理ができるからです。
一度、具体的な目標が決まると、今度はその目標に向かって整理を進めることができます。
例えば、「高齢になったときのために安全な部屋を作る」ことを目標にしたとします。その場合、これまで考えたこともなかったことに気づくことができます。
安全な部屋とはどのようなものか、危険な場所はどこが考えられるかなど、目的をもって学ぶことができるようになるのです。安全な部屋の一例として、次のようなことが考えられます。
・床に物を置いていては躓くから危険だ
・高いところに物を置いていては、取り出すとき落としてしまうかもしれない
・階段には物を置かないようにして、手すりをつけるようにしよう
・普段使わない重量物(タンスなど)は今のうちに処分しておこう
このようなことが考えられます。また、「不要なものを排除し、好きなものに囲まれて暮らす」を目標にした場合、趣味の部屋を作ることをゴールに設定してもいいかも知れません。
「お金のことで家族に迷惑をかけたくない」のであれば、財産の整理を最優先に行う、生前贈与も視野に入れてみるなども考えられます。
このように、何のために生前整理をするのかを考えることで、最終的なゴールが見えてきます。
同時に、目標に向かって進むことができるので、自分のペースで行ったとしてもいつかはゴールすることができます。一方、目標を定めていない場合は、何がしたかったのか途中でわからなくなることが多いです。
実際に、生前整理を始めたとしても、途中で投げ出している方は多いです。これは生前整理の最終的なゴールを定めていないかそうなります。
このようなことからも、なんとなく始めるのではなく、目標を定めて生前整理を行うことが重要であることがわかります。
誰の意志で行うのかで目標がかわる
目標設定をすると生前整理がスムーズに行えることがわかりましたが、ここでひとつ注意してもらいたいことがあります。それは、「誰の意思で生前整理をするのか」ということです。
生前整理は、まだ生きているうちに自分で目標を定め行います。したがって、当然自分の意思で行う必要があります。しかし、実際にはそのような方はまだまだ少ないといわざるを得ないのが現実です。
実際のところ、弊社がいただく生前整理の依頼では、本人様ではなく、そのご家族の方から依頼されることが多いです。
この場合、本人と家族との間に生前整理に対する意識のズレが生じているケースが本当に多いのです。その結果、整理中に喧嘩になったり、満足できない生前整理になったりします。
例えば、自らの意思で行う生前整理であればスムーズに進めることができます。残すものと処分するものを自分の意思で選択できるからです。また、自分のペースで進めることができるので負担も少なくなります。
この場合、弊社が生前整理のお手伝いにいっても終始穏やかに終わることが多いです。
したがって、ご自身で設定した目標に向かって生前整理を行うことができます。もっともおすすめしたい生前整理の方法です。
しかし、これが「家族に勧められて行う生前整理」だトラブルになりがちです。
家族に言われてはじめる生前整理では、本人の目標よりも家族の目標が優先される傾向にあります。
これは、あまりにものが多く、いくら言ってもなかなか整理してくれない親御さんに困り果てて、半ば強引にはじめるケースが多いからです。
この場合、本人様の希望や目標どおりの生前整理は難しいと考えてください。
このような事実からも、生前整理は自ら目標を持って行うことがベストだといえます。
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