エンディングノートを書くべき人とは
ライフメディアリサーチバンクの調べによると、60歳以上の方を対象に、「エンディングノートを知っているか」という質問をしたところ、約65%の人が「知っている」と答えたそうです。
ところが、「実際に書いたことがあるか」という質問に対し、「書いたことがある」と答えた人の割合は、わずか6%でした。つまり、エンディングノートの存在は知ってはいるが、実際に書いたことがある人はほとんどいない結果だったのです。
この結果から、エンディングノートは「自分には関係のないもの」と思っている人が多いことがわかります。しかし、エンディングノートは残される家族にとってとても重要な意味を持っています。
なぜなら、あなたが死んだあと、生前に伝えることができなかったことを伝えてくれる唯一の存在だからです。そのため、本来であれば「全員」が書くべきものです。
しかし、人により死生観が違うため、全員が書くことは不可能です。そこでここでは、エンディングノートを特に書いておかなければならない人について述べていきます。
エンディングノートを特に書くべき人とは
先述の通り、エンディングノートは全員が書くことが理想です。しかし、現実には不可能なので、次のような人はエンディングノートを書くようにしてください。
お金に関するトラブルが予想される人
人が死ぬことで起こるトラブルはさまざまなことが考えられます。その中でも、お金のトラブルは多いです。遺産相続などでトラブルの可能性がある人は、エンディングノートに資産状況とその分配方法を書いておくことが大切です。
例えば、長年介護をしてくれた長男のお嫁さんにも遺産を分配したいと考えている場合や、逆に以前からトラブルばかり起こしていた次男には遺産を分配したくない場合など、自分の意思を残しておきましょう。
ここで注意しなければならないことは、エンディングノートには法的な強制力がないことです。したがって、エンディングノートには財産に関する遺言を残したとしても、遺言書を書いていなければ、あなたの思う遺産分配が出来ない可能性があります。
確実に遺言を執行したいのであれば、エンディングノートで作成した財産目録(財産の一覧表)を元に、遺言書を残すことを忘れないようにしなければいけません。
おひとりさま
生涯結婚をしない人を「おひとりさま」という言葉で表します。自立した人や、結婚をしたくないという人が増え、このようなおひとりさまは増加傾向にあるようです。
そして、このおひとりさまもエンディングノートを書いておくべき人になります。
例えば、認知症を発症してしまい自分の意思を相手に伝えることができなくなったり、交通事故で死んでしまったりした場合、その周囲の人たちが困ります。
なぜなら、「どのような人であったのか」、「どのように介護してほしかったのか」、「どのような葬儀をしてもらいたかったのか」など、そのすべてがわからないからです。
これらのことを伝えることができるのがエンディングノートです。人はいつ死ぬかはわからないため、早いうちから自分のことや希望を書き残しておくと良いです。
エンディングノートを事前に準備しておくことで、自分の希望を伝えることができるばかりか、自分に関わった人の負担を軽減することができます。
面と向かって話すことが苦手な人
改めて家族に自分の思いを伝えることを恥かしいと感じる人は多いです。男性ならなおさらであり、これまで亭主関白で貫いてきた人にとっては、感謝の言葉を口にすることすら照れくさいものだと思います。
そこで、これまでの家族への感謝の気持ちを、エンディングノートに残しておくと良いです。面と向かって話すことが苦手な人でも、文面であれば恥ずかしくありません。
感謝の言葉を伝えたいとき、一番良い方法は直接伝えることですが、どうしても照れくさいときにはこのような方法もあります。あなたが死んだあと、エンディングノートを見つけた家族にとっても幸せな気持ちになることでしょう。
ここでは、エンディングノートを書いておくべき人について述べてきました。エンディングノートは全員が書くことが理想ですが、現実的に不可能です。
そこで、「お金のトラブルが考えられる人」「おひとりさま」「面と向かって話すことが苦手な人」は特に書いておくようにしましょう。そうすることで、残された家族や周囲の人が幸せになる可能性が高くなります。
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