売れる可能性のある遺品とお金に換える方法

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遺品整理をしていて出てくるものに、「価値のわからない品」があります。

 

例えば「掛け軸」が出てきたとき、その掛け軸に金銭的な価値があるのか、もしくはまったくないのかわからないのです。そのため、たとえ価値があるものであっても知らずに処分してしまう可能性があります。

 

しかし、これは非常にもったいない話です。

 

現実的なお話をしてしまいますが、金銭的価値のある遺品であれば、遺族の方に必要なければお金に換えたほうが有意義であることは間違いありません。

 

また、遺族の方にとっては不要なものでも、その品を欲しがっている人の手に渡ったほうが遺品も喜んでくれるはずです。

 

でも、素人の方には「これはお金になるのだろうか?」と疑問に思う品も多いです。

 

例えば、「家具」「家電」「ブランド品」「貴金属」、このあたりの品は素人の方でもある程度の価値があることがわかります。

 

しかし、「骨董品」「美術品」「趣味の品(切手、古銭など)」「おもちゃ」、このあたりになってくると素人の方ではその価値がわかりません。

 

「私からみるとなんの値打ちもないようにみえるけど・・・」といった古道具(硯:すずり)が、1万円を超える値段がついた事例もあります。

 

そこでこのページでは、金銭的価値がある遺品について紹介していきます。

 

骨董品

遺族の方が最も困るのが「骨董品」です。骨董品とは、「古いもの」「歴史的価値のあるもの」と考えていただくと良いでしょう。

 

骨董品はアンティークとも言われ、愛好家の間では高値で取引されるものも多いです。とはいえ、興味のない人にとってはゴミにしか見えない代物が多いです。

 

一口に骨董品と言ってもその種類は多岐にわたります。値段がつきやすい骨董品の一例を見てみましょう。

 

  • 「家具」「食器」「着物」などの日用品
  • 「陶磁器」「彫刻」「絵画」「掛け軸」などの美術品
  • 「和ガラス」「茶道具」「書道具」などの古道具
  • 「ブリキのおもちゃ」「超合金」「ソフビのおもちゃ」などのアンティーク玩具
  • 「竹芸」「蒔絵」「人形」「七宝」などの工芸品
  • 「鎧」「兜」「日本刀」「軍刀」「勲章」などの武具類

 

中でもよく質問を受けるのが、「陶磁器」「絵画」「掛け軸」「古道具」です。では、これらのどこを見ればお金になる可能性があるのでしょうか。

 

作者の名前が入っているか

焼き物や掛け軸には、作者の名前が入っている品があります。中でも高名な作者の品は一種のブランド品として高値で取引されています。

 

逆に作者名がないものは量産品である可能性が高く、値段がつかないことが多いです。

 

まずは目を凝らして作者名が刻印されているか探してみましょう。

 

陶磁器であれば裏に刻印しているか。掛け軸は落款(らっかん)が押されているか。小道具は箱に作者名が記されているか。などを見るのがポイントです。

 

保存状態は良いか

たとえブランド品で本物の骨董品だったとしても、保存状態が良くないとその価値は激減します。

 

例えば、保存状態が悪く虫に食われてぼろぼろになった掛け軸は買取ができません。陶磁器のヒビ、絵画の汚れなども価値を下げる要因になります。

 

遺品整理では、故人の持ち物だったケースが多いため、故人の保存の仕方によって状態が左右されます。

 

以前、押し入れに無造作に入れられて粉々に砕けたガラス細工を発見したときは、「危ない」「もったいない」と感じたものでした。

 

このように保存状態に左右される骨董品ですが、裏を返せば、保存状態の良い品は、高名な作家のものでなくても取引されることがあります。無名だからと肩を落とす前に査定してもらいましょう。

 

本物? 偽物?

骨董品が出てきたとき、もっとも気になるのは本物なのか、ニセモノなのかということではないでしょうか。

 

高名な作者の作品には贋作(ニセモノ)がつきものです。ですので、高名な作者の名前が入った絵画でも、ニセモノのためまったく価値がないケースも非常に多いです。

 

私が以前遺品整理のお手伝いに行った現場では、掛け軸が8軸、桐箱に入った状態で見つかりました。お話によると、依頼主様のお父様が大枚(数百万円)をはたいて購入したものらしいのですが、鑑定してみると全てニセモノでとても肩を落としてあった事例もあります。

 

ただ、掛け軸に関して言えば、本物は紙の上に墨で描かれているため、凸凹になっています。そのため、手で触るとザラザラしていてでわかりやすいです。また、ほんのりと墨の匂いがします。

 

印刷されたものは手で触っても凹凸がなく全体がさらりとしているうえ、表紙(作品の周りの部分)が安っぽいためわかりやすいです。

 

ただし、先述していますが基本的に真贋を見極めるには、専門の鑑定士にお願いするしか方法はありません

 

気になる品が見つかったときは、作者名、保存状態を確かめた上で鑑定してもらうと良いでしょう。

 

趣味の品

これまた困るのが故人が趣味で集めた品々です。これまで遺品として出てきた趣味の品を紹介すると、

 

「切手」「古銭」「釣り道具」「ゴルフ用品」「海外の民芸品」「将棋の盤」「ジグソーパズル」「古書」「レコード」「楽器」などがあります。

 

一見お金に換えることは難しいように思えますが、上記で紹介したものはすべて売ることができます。

 

専門業者に依頼したり、オークションに出品することで、意外なほど高値をつける可能性があるのです。

 

ちなみに、以前弊社で買い取りした「SHIMANO」の釣り竿は、ヤフーオークションで15,000円で落札されました。

 

このような趣味の品は、他人から見ればゴミでも、同じ趣味を持つ人にとってお宝なのです。処分する前に情報を集めるようにしてください。

 

 

工具

DIYが趣味だった方は、個人的にさまざまな工具を所有している方は多いです。この工具もそこそこの値段で売ることができます。

 

特に高値で取引されているのは電動工具。例えば、「インパクトドライバー」「チェーンソー」「コンプレッサー」「マルノコ」「セイバーソー」などです。このあたりは5万円を超える値段がつくこともあります。

 

また、ブランドの工具セットも、状態が良ければ1万円以上の高値で買い取る業者もいます

 

お父さんがDIYを趣味にしていたなら、物置小屋を捜索してもいいかもしれません。

 

お酒

お酒も意外と高く売ることができる遺品のひとつです。

 

故人がお酒好きであっても、その家族の方は一切飲まないケースは多いようです。その場合は専門店に買い取ってもらいましょう。

 

基本的には未開封品に限ります。また、箱や説明書などの付属品の有無でも査定が変わります。お酒のコレクターは付属品まで重視するからです。

 

以下に高く売れるお酒の一例を紹介しておきます。

 

日本酒
希少な日本酒も高く売ることができます。

 

「十四代」「森伊蔵」「菊姫(くくりひめ)」「八海山」「喜久水」

 

このあたりはそのグレードにもよりますが、数千円から1万円を超える高値で買い取ってもらうこともできます。中にはプレミアが付き、10万円を超える値段がつくこともあります。

 

お酒に興味のない方でも、一度銘柄を確かめてみましょう。

 

洋酒
ワイン、ブランデー、ウイスキーは中古市場でも人気が高く、高値で売ることができます。

 

ワインでは、「シャトー・ル・パン」「ドン・ペリニヨン(シャンパン)」「シャトー・マルゴー」「シャトー・ブリオン」

 

ブランデーでは、「ルイ13」「ヘネシー・リシャール」「レミーマルタン」「カミュ」「ナポレオン」

 

ウイスキーでは、「余市」「山崎」「マッカラン」「ブラントン」

 

このあたりは非常に人気が高く買取価格は安定して高いです。.

 

以前、遺品整理中に「ドン・ペリニヨン ロゼ」が出てきたことがありました。通称「ピンドン」と呼ばれ、市場価格は4万円前後するシャンパンです。

 

状態が良かったため買い取らせていただきましたが、オークションで2万円の値段がついたことがあります。

 

このように、希少なお酒はお金に変えることができます。ただ、お酒が好きな方であれば、故人をしのびながら故人の好きだったお酒を飲む、というのも良いかもしれません。

 

「こんなものまで売れるの?」と思ってしまう遺品たち

ここからは一見するとゴミにしか見えないけど実はお金になるものたちを見ていきましょう。

 


故人が盆栽や庭いじりが好きだった場合は、盆栽などに生えている苔をお金に変えることができます。

 

私のような田舎者には珍しくない苔ですが、都会の方にとってはなかなか手に入らない品であるようです。

 

種類や量によっては、1万円を超える値段がつくこともあります。

 

ビックリマンシール
1980年代に大流行したビックリマンシールは実は現代でも人気なのです。

 

レアなシールや人気のシールは特に高値で取引されており、完品の「ブラックゼウス」は30万円以上の値段がつくことも。まさにびっくりです。

 

女性からするとゴミにしか見えないかもしれませんが、コレクターにとってはお宝なのです。

 

トレーディングカード・ボードゲーム
年代物のトレーディングカードやボードゲームもお金に変えることができます。

 

こちらも状態によって大きく金額が変動しますが、状態が良かったりレアなゲームだったりする場合は、数千円から数万円で取引されています。

 

古い写真、古い手紙
戦前や戦時中などの白黒写真や当時の手紙も実は売れます。

 

遺品整理ではぼろぼろになった古いアルバムが出てくるものです。このような品は歴史的価値がつくこともあります。

 

当時の情景が確認できるものや、戦時中に息子が家族にあてた手紙などは、常に一定のコレクターがおり、数千円で売ることができます。

 

このように、「え、こんなものが??」という遺品まで実はお金に変えることができるのです。

 

コレクターの中には意外なものまで収集している方もいらっしゃいます。大切な遺品を処分ではなく、必要としている方に譲ることまで考えてみてはいかがでしょうか。

 

遺品をお金に換える方法

それでは、これらのお金に換えることができる遺品を実際に売るにはどうしたら良いでしょうか。

 

その方法としては、「リサイクル業者に持ち込む」「遺品整理業者に買い取ってもらう」「オークションに出品する」、この3つの中のいずれかの方法になります。

 

もっとも手間がかからないのは「遺品整理業者に買い取ってもらう」方法です。遺品整理と並行してリサイクルできるため、一切手間がかかりません。

 

デメリットとしては、骨董品などの専門的知識が必要な品は買い取りは難しい点です。また、買い取ったものを販売する手間や経費を計算して買い取るため、買取価格は低くなりがちです。

 

遺品をもっとも高く売りたい場合は、手間はかかりますが「オークション」に出品するようにしてください

 

出品までの手間、落札者との取引、梱包発送など非常に面倒ではありますが、意外なものが驚くほど高値で落札される可能性があるからです。

 

また、先述していた「意外にも売れるもの」のようにコレクター要素が強い品については、オークションでしか売ることができないものまであります。このあたりは実際に出品してみないとわからないものも多いため、ダメ元で出品してみてください。

 

金銭的価値の無いものはどうする?

さて、ここまで金銭的価値のある遺品について述べてまいりましたが、実際には9割以上は不用品になることが多いです。

 

これらの不用品は、「処分」「寄贈」「保管」のうち、どれかを選択しなければいけません。

 

処分する
処分料はかかるものの、不要な遺品を処分することで「スペースの確保」が可能です。また、遺品を整理することで気持ちの整理をつけることができます。

 

今後使う予定のない遺品たちは、潔く処分してあげることが故人のためにも遺族のためにも大切なことだといえます。

 

寄贈する
まだ使えるもので処分するのが忍びない場合は、必要としている人へ寄贈するという方法もあります。

 

「家電」「衣類」「日用品」などは、適切なところへ寄贈することで、被災地や貧しいアジア諸国など必要としている人の手へと渡すことができます。

 

寄贈ですので一切お金にはなりませんが、社会貢献することができます。

 

以下で寄贈を受け付けているサイトを紹介しておきます。

 

家電

  • 日本赤十字社
  • ワールドギフト

 

衣類・日用品

  • ブリッジフォースマイル
  • ワールドギフト

 

  • アジア・アフリカと共に歩む会
  • 図書館

 

保管する
最後は遺品を保管しておくケースです。

 

ただ、すべての遺品を保管することは現実的ではありません。保管するときは、「特に故人を思い起こせる品」のみ厳選して保管するようにしましょう。

 

そうしなければ、大切な遺品が数年後には「邪魔な存在」になる可能性がとても高いからです。実際にこのような方は少なくありません。

 

遺品を保管する際には、厳選に厳選を重ねて、遺族の負担にならないように気をつけてください。

 

まとめ

このページでは、知らないと損をしてしまう「売ることができる遺品」について詳しくお話してきました。

 

売ることができる遺品を知ることで、処分料を節約することができます。また、遺族の方には価値がない品でも、世間には必要としている人はたくさんいます。

 

気になる遺品はまずは査定をしてもらいましょう。意外なものが高く売れるかもしれません。

 

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