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根強い人気を誇る便利な洗剤に、「重曹」があります。昔から幅広い分野で使われており、こんにゃくの凝固剤や医薬品の胃薬などにも使われています。

 

食品添加物でもあり、薬の成分でもあり、掃除道具でもある重曹とは、いったいどのようなものなのでしょうか。ここでは、重曹の正体と使い方について話していきます。

 

重曹の正体とは

 

重曹とは炭酸水素ナトリウムのことです。別名、重炭酸ナトリウム、重炭酸曹達（ソーダ）ともいい、重炭酸曹達を略して重曹と呼ばれます。

 

この炭酸水素ナトリウムというのは、自然界に存在する天然のミネラル成分です。そのため人体にも優しく、食品添加物として使用されています。

 

白色の結晶もしくは粉末状で販売されています。一般的には掃除用のイメージが強いですが、用途は幅広く、医療用、工業用、農業用、食品添加物として使われています。

 

重曹の特徴

 

重曹はどのような汚れにも使える万能洗剤のように言われることがありますが、これは間違いです。重曹にも得意とする汚れと苦手とする汚れがあります。

 

重曹は性質が弱アルカリ性でであるため、酸性の油汚れには抜群の効果を示します。その一方で、木材や畳など天然素材は、重曹の持つアルカリ成分により変色してしまいます。また、重曹の洗浄力はそこまで強くありません。ギトギトした強い油汚れには力不足です。

 

研磨剤が入っていますが、その粒子は非常に細かく、優しく研磨して汚れを落とすため素材を痛めることがほとんどありません。これを利用して、クレンザーとして鍋の焦げ付き落としなどで利用することができます。

 

また、消臭効果も優れており、生ごみやタバコの吸い殻に粉末状の重曹をそのままふりかけるだけで抜群の消臭効果が期待できます。

 

ただ、性質がアルカリ性であるため、アルカリ性である水垢の除去やトイレのアンモニア臭の消臭には向きません。

 

水溶性ですが、水には溶けにくく、掃除でよく使われる重曹水を作るためには時間をかけてしっかりと混ぜなければいけません。 水に対して少量（8％以下）であれば問題ありません。

 

天然のミネラル成分なのでそのまま排水口に流しても無害であり、安心して使える洗剤だといえます。

 

重曹の使い方

 

重曹はキッチンで使うことが多いです。酸性の油汚れを中和して落とすことができるからです。さらに、天然成分であるため誤って口に入れても問題がなく安心して使用することができます。

 

実際に重曹を掃除で使う場合、主に「粉末を直接ふりかける」「重曹水として使う」「重曹ペーストとして使う」3つの方法があります。

 

粉末を直接ふりかける

 

食器を洗うときには直接ふりかけてスポンジで洗うだけできれいになります。シンクの掃除や湯のみの茶しぶとりにも、ふりかけてこすり洗いをすることできれいにすることができます。

 

ガスコンロにふりかけて洗うと、重曹が油を取り込み簡単に除去することができます。ただ、先述したように頑固な油汚れには洗浄力が足りないので、重曹でとれない場合はアルカリ性洗剤を使うことをおすすめします。

 

その他、少し湿らせたスポンジや雑巾にふりかけて、鏡を拭きあげたり電化製品を拭きあげたりすることで手垢や皮脂をきれに取ることができます。

 

重曹水として使う

 

重曹を水またはぬるま湯に溶かしたものを重曹水と呼びます。

 

作り方は、水100mlに対し、重曹小さじ1杯をよくかき混ぜて透明になったら完成です。これをスプレーボトルにいれ、吹きかけて使います。

 

シュッと吹きかけて拭き取るだけで良いので、非常に手軽に使用できます。プラスチックや家電の掃除に最適です。

 

重曹ペーストとして使う

 

重曹をペースト状にして使うと、お風呂のタイル目地を掃除するときなどで液だれすることがありません。サッシにつけてブラシなどでこするとピカピカになります。

 

作り方は、水（ぬるま湯）1に対し、重曹3の割合で作ります。といっても、厳密にこの割合で作る必要もないです。要は、どろどろのペースト状になるまで水とかき混ぜて作れば問題ありません。

 

水を少しずつ足していけは、好みの硬さにすることができます。これを掃除したいところに塗り、ブラシなどで磨いていきます。対象物に塗り放置することで、汚れを浮かせる洗浄力を上げることができます。

 

キッチン以外にも次のような使い方も有効です。

 

 

重曹は苦手なこともありますが、ほとんどの汚れに対応できる手軽な洗剤です。天然のミネラル成分であり、人体にも環境にも優しく安心して使用することができます。