アレルギーを持つ人が自宅の部屋を片付け、清潔にするメリット

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片付けの仕事をしていると、次のようなご相談をいただくことがあります。

 

「アレルギー性の結膜炎と診断され、医者に部屋を清潔に保つように指示されました」

 

「目の手術をしたのですが、眼科さんに『こまめに掃除をして下さい』と注意を受けました」

 

このような医者から注意を受けたというものです。部屋が不潔な場合、空気中に漂うハウスダストが原因でさまざまなアレルギー症状が出ることがあります。

 

アレルギーとは

 

それでは、そもそもアレルギーとはどのようなものでしょうか。

 

人間の身体には、体外から侵入した細菌やウイルスなどの異物を排除しようとする働きがあります。これを「免疫」と呼び、人体が持つ防御システムのひとつです。

 

たとえば、「はしか」は一度かかると二度と「はしか」にかかることはありません。これは、自分の身体にはしかに対する「免疫ができた」ことで、はしかに負けない身体になったということです。

 

しかし、この免疫が人体に対して不利益に働くことがあります。有名な「花粉症」も免疫が人体に不利益に働いたことによる反応です。このような反応を「アレルギー反応」と呼び、アトピーや喘息の原因といわれています。

 

このようなアレルギー反応が現れる要因として、「ハウスダスト」が考えられます。それでは、この「ハウスダスト」とはどのようなものでしょうか。

 

ハウスダストとは

 

ハウスダストとは、一言で言えば室内にたまる「ホコリ」のことになります。しかし、一口にホコリといってもその内容物はさまざまです。中にはアレルギーを引き起こす「アレルゲン(アレルギーを引き起こす原因物質)」を含んだホコリもあります。

 

ハウスダストに含まれるものとして、ホコリ、ダニ、ダニの死骸やフン、バクテリア、繊維塵、砂塵、食べかす、人の髪の毛、フケ、アカ、ペットの毛、カビの胞子、植物の花粉など多岐に渡ります。

 

これらのものが空気中に舞い上がり、それを人体に取り込むことでさまざまなアレルギー症状を引き起こします。ハウスダストが原因といわれる代表的なアレルギー症状は以下のものになります。

 

・目のかゆみ

 

・鼻炎

 

・咳、喘息

 

・アトピー

 

などが挙げられます。ハウスダストで最も注意しなければならないのが、「ダニ」です。

 

ダニはアレルギー原因のトップといわれています。ダニは部屋中どこにでも生息しており、その個体数は莫大です。一説によると、1平方メートル中1000匹以上はいると言われています。

 

生きているダニがアレルゲンになるわけではなく、ダニの死骸やフンがアレルゲンとなります。もともと小さなダニですが、その死骸が乾燥して粉々になるとさらに細かな粉末となります。

 

この粉末状のダニの死骸が空気中に舞い上がり、人体に悪影響を及ぼすアレルゲンとなります。ダニはもともと個体数が莫大なうえ、繁殖力も旺盛です。そのため、日々の掃除を怠ると大量に繁殖している可能性があります。

 

部屋の片付け、掃除でアレルギー対策をする

 

以上のことから、鼻炎や喘息などのアレルギー症状を緩和するには部屋を清潔に保つことが大切だとわかります。特に小さなお子様をお持ちの方の場合、日々の掃除は重要です。少しでもアレルギーの原因となるアレルゲンを除去する必要があります。

 

それでは、具体的にどのように掃除をしていけば良いでしょうか。

 

1.不要なものを撤去する

 

掃除をするにあたって、ゴミが散らかっている環境は論外です。そもそもゴミが散らかっていては掃除をすることができません。まずは不要なゴミはすべて撤去します。

 

また、ゴミではなくても、全く使わない家具や生活用品も処分することをオススメします。なぜなら、モノがあるだけで掃除がやりにくくなるうえ、その隙間にハウスダストが溜まりやすくなってしまうからです。

 

見た目もきれいになるので、不要と判断したものは思い切って捨てることが大切です。

 

2.丁寧に掃除をする

 

不要品を処分したところで、次は掃除を行います。このときは丁寧な掃除を心がけてください。丁寧に掃除をするというのは、「時間をかけて掃除をする」ということです。これには理由があります。生きているダニは鋭い爪を持っており、この爪で畳や絨毯にしがみついています。

 

そのため、通常行う掃除機がけではダニを除去することができません。したがって、ダニを除去するためには、時間をかけて掃除機をかける必要があります。

 

掃除機をかける目安として、1畳あたり1分を目安に掃除をしてください。6畳一間の部屋であれば、5〜6分ほどじっくりと丁寧に掃除機をかけましょう。

 

掃除機がけが終わったあとの拭き掃除も有効です。掃除機では吸い取りきれなかった細かいハウスダストを雑巾で拭き取ります。掃除は毎日行うのがベストですが、できない場合は3日に1度を目安に行うようにしてください。

 

このように、日々の片付けや掃除を行うことは、見た目の美しさだけではなくアレルギーの対策にもなります。現在、目のかゆみや鼻炎の症状がある方は、まずは部屋の掃除をしてみてはいかがでしょうか。

 

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