【北九州市の遺品整理】16年以上あっていない母が逝去、ゴミ屋敷と化した実家編
弊社アークサービスは部屋片付けと遺品整理を専門で行っている業者です。今回は北九州市に実家がある40代女性、M・Yさまから遺品整理のご依頼をいただいたときの事例を紹介します。
ご相談内容
M・Yさまからお電話でお問い合わせをいただいたときは、非常に聞き取りづらい小さな声で次のような悩みを打ち明けていただきました。
「・・・敷の片付けはやってありますか?」
「え? すみません。もう一度お伺いできますか?」と私。
「ホームページを見たのですが・・・、、、ゴミ屋敷の片付けをお願いしたいのですが・・・」
「実は長年あってなかった母が亡くなりまして・・・。久しぶりに帰ってみたら実家がひどいことになっていました」
「一度見に来ていただけませんか? ちょっと途方にくれてしまって・・・」
「すみませんがよろしくお願いします」
このようなお話でした。通常だとお電話で今の状況をお聞きするようにしています。
しかし、今回の相談者様は声の感じから精神的に疲れていらっしゃると感じたため、お電話では詳細はお聞きせず実際にお会いしたときに詳しい状況を確認することにしました。
M・Yさまにご希望の日時をお伺いし、後日お見積もりに向かうことになりました。
お見積もり
お見積もり当日に現場についてみると、そこは住宅街の一軒家でした。庭はまったく手入れされておらずどこか寂しさを感じます。
お約束の時間を少し遅れてM・Yさまがやってこられました。
「遅くなりすみません」
「さっそくですが中を見ていただけますか。かなりひどい状態ですが」
「私は外でお待ちしていてもいいですか? なにかありましたらお尋ねください」
私は「なぜ?」と疑問に思いましたが、「不衛生な部屋を見たくないのかな?」と思い一人で中を確認させていただくことになりました。
鍵を開けていただき中に入ります。間取りは3LDKのようです。玄関を見たところ「少しものが多いかな」程度でした。ただ、リビングに近づくにつれ床に放置されたビニール、紙袋、服、ダンボールなどが増えていきます。
リビングを見てみると、おそらくお母様が普段生活していらっしゃったであろう空間が広がっていました。ただ、その場所はテレビの前に敷いてある布団の部分以外はゴミに埋もれている状態でした。
高齢のお母様がどのように暮らしていらっしゃったのか想像がつきません。
また、2階も見せていただきました。しかし、2階は1階と比べて何の変哲もない普通の部屋です。おそらく、高齢のお母様は2階部分は一切使用されていなかったものと思われます。
全体を確認したところで、「どこまで片付けて、何を残すのか」を外でお待ちのM・Yさまにお聞きしに行きました。
するとM・Yさまは、「貴重品以外はずべて処分しようと思っています」とのことでした。さらに、
「実はいろんなことがありまして、16年以上ここには戻ってきていないのです」
「ですので、この家自体に思い入れがないため時期を見て解体しようと考えています」
「とにかく空っぽにしていただけると助かります」
このようなお話でした。なにやら他人が踏み入ってはいけない事情があるようでした。このようなケースでは、依頼主さまのご希望を叶えることに集中して業務に当たります。
今回の遺品整理で重要なのは「貴重品の捜索のみ」です。
したがって、比較的短時間で終わらせることができそうです。とはいえ、家財一式とリビングのゴミは相当な量です。
これらを総合して適切な作業日数と料金を提示させていただくと、「思っていたより安いです。ではそれでお願いします」と即決していただけました。
「できれば早めにお願いしたい」とのことでしたので、2日後に作業をさせていただくことになりました。
このとき、M・Yさまは、「あの、、、立ち会いって必要ですか?」と少々聞きづらそうに聞いてこられました。
弊社では不都合がなければ立会をお願いしています。なぜなら、立ち会っていただいたほうが精度の高い満足のいく遺品整理になるからです。
しかし、今回は何かしらの事情がおありのようですので、「もしお辛いようでしたら弊社にすべておまかせいただいてもかまいません」とお伝えしました。
「ではお手数ですが、すべておまかせしますので立ち会いはなしでお願いします」と希望されたのでした。
作業内容
今回は立ち会いはなしということで、作業当日にカギをお預かりしての作業になります。作業が終わる頃に連絡の予定です。
まずはいつもどおり玄関と廊下の片付けから始めます。玄関は比較的物が少なく、30分ほどできれいになりました。
続いてメインのリビングです。お母様がおいくつで亡くなられたのかはわかりませんが、インスタントの食品や缶詰などのゴミが中心です。生前の食生活がわかるようで少々物悲しい気持ちになったことをよくおぼえています。
また、お母様が使われていたであろう布団もリビングの端の方に放置してあります。1階に寝室はあるものの。このリビングだけで生活をされていたことが覗えます。
分別と袋詰に明け暮れ、散乱しているゴミがあらかた片付いたところで、次はタンスや食器棚の中に入っているものたちの分別作業に移ります。
特に大変だったのが食器類です。ほとんど使われていないと思われる食器や容器が大量に出てきました。おそらくM・Yさまが子供の頃に使われていたであろう、ミスタードーナツの弁当箱(昔ありましたよね?)や、お重なども出てきました。何十年も前からの品が所狭しと保管されていたのです。
この食器類だけでも軽トラック3分の2台分です。重量もかなりのものでした。
タンスの中からは少しばかりの現金、古い通帳、印鑑などの貴重品、それと指輪やネックレスなどの貴金属類が発見されました。これらのものはすべてM・Yさまにお返しします。
リビングの整理が終わろうとするころ、他のスタッフも頑張りにより1階の寝室と2階の2部屋はきれいに片付きました。最後は部屋全体をクリーニングです。
作業が終わる間際にM・Yさまに連絡すると、「ありがとうございます。すぐに向かいます」とのことでした。
M・Yさまが到着し、部屋を確認していただきます。このときM・Yさまは終始無言でした。すべての部屋を確認されたところで、貴重品をお渡しします。そこで次のようなお話を聞くことができました。
「今日は本当にありがとうございました。全て任せっきりにしてしまって・・・」
「どこから話していいものかわかりませんが・・・」と前置きされた後、
「母は昔から暴力を振るう人で、あるとき嫌でたまらず逃げるように出ていきました」
「今で言う『DV』ってやつです」
「すごかったんですよ。アザがないときはありませんでした」
「出ていってからは私からはもちろん、母からも連絡は一切ありませんでした」
「今回母がなくなりました何の感情も感じません」
「死んだ後も私に迷惑かけられて、どちらかと言うと怒りの感情の方が強いです」
「何を話しているのでしょうね、私。業者さんに」
このように話してくださいましたが、その内容はとても凄絶なものでした。なぜM・Yさまがこのような話を私にしてくださったのかはわかりませんが、誰かに聞いてほしかったのだと思います。(内容は少しフェイクを入れています)
最後まで淡々とされているM・Yさまでしたが、「でもこれでなんだかスッキリしました。変な話をしてごめんなさいね」と少し笑顔を見ることができました。
弊社では部屋の片付けサービスと遺品整理を行っています。弊社のサービスで、依頼主さまに少しでも笑顔を提供することができると私としても嬉しいです。
部屋の片付けや遺品整理でお悩みの方は、相談だけでもかまいませんのでぜひご連絡ください。
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