遺品整理中、依頼主様が声を殺して泣いておられた春日市の事例

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弊社アークサービスは、遺品整理と部屋片付けに特化した業者です。今回は私の中でも忘れることができない遺品整理の事例を紹介します。

 

依頼主様は太宰府市にお住まいの50代の男性、M・Fさまです。

 

ご相談内容

M・Fさまからご相談いただいたのは、「遺品整理の見積もりをしてもらいたい」とのご要望でした。

 

「実は私の弟が亡くなりまして・・・。その亡くなった弟の部屋を片付けてもらいたいんですよ」

 

「遺品整理をしたいが自分ではできそうにないから・・・」

 

電話ですのでその表情をうかがい知ることはできません。しかし、その声から兄弟を亡くした辛さがひしひしと伝わってきました。

 

弟様のお住いは春日市だということで、ご希望の日時を指定していただき後日春日市の現場に向かうことになりました。

 

お見積もり

着いた先は少々古めのアパートでした。駐車場の車の中からM・Fさまがでてこられ、挨拶をします。

 

「ごめんね。わざわざ」

 

そういうM・Fさまの表情はとても暗いものでした。

 

M・Fさまに促され、2階にある弟様の部屋の確認を行います。間取りは2DKのアパートです。このときの様子は以下の写真で確認できます。(ご希望により加工しています)

 

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現場の確認をしている最中、M・Fさまから次のようなお話を聞くことができました。

 

「事前に必要なものは運び出してるから、ここにあるものはすべて処分の予定なんだけど」

 

「ただ、どうしても僕には捨てることができそうにないんだよね」

 

これは重量物の運び出しや人手不足で捨てることができないというわけではなさそうでした。亡くなった弟様の遺品を処分することが「偲びない」「申し訳ない」という思いが表情からもわかります。

 

「弟はずい分前に離婚して、長いことここで一人暮らしをしてたんだよ」

 

「もちろん仕事はしてだんだけど、無断欠勤が2日続き、さらに携帯にも出ないことから、会社の同僚の方が心配して見に来てくれたみたいで」

 

「インターフォンを押しても人の気配がせず、『もしかしたら』と管理会社にまで連絡してくれてね〜」

 

「そこで風呂場で倒れていた弟が発見されたそうなのですよ」

 

「処置が早ければ助かっていた可能性が高かったという話も聞きいたんだけど」

 

「弟の側には誰もいなかったからね・・・」

 

「……」

 

「とにかく後悔だらけでね。そんなこと思っても意味が無いとわかっていても、『離婚していなければ』『再婚していれば』『私が頻繁に会いに行っていれば』と考えてしまってね〜」

 

「ごめんね。こんな話をしてしまって・・・」

 

このような後悔の言葉でした。とても話しづらいことを私に話してくださるM・Fさまの目は赤くなっていました。

 

これまで数々の遺品整理を行ってきましたが、M・Fさまのように後悔をされる方は少なくありません。

 

「もっと会いに来ていれば」
「もっと親孝行をしていれば」
「もっと早くに気づいていれば」

 

状況は違えど、みなさん少なからず後悔の言葉を残されます。このような言葉を聞くと、今できることを精一杯やらなければいけないと感じます

 

話を戻しますが、M・Fさまが落ち着かれるのを待って、今回の遺品整理にかかる料金と作業内容をお伝えしました。

 

男性の一人暮らしであるため、遺品の量はそう多くなく、またある程度整理された部屋であったため料金は比較的安くすみました。

 

料金と作業内容にご納得いただけたようで、その場で正式ご契約となりました。

 

作業内容

3日後、ふたたび春日市の現場に向かうと、M・Fさまはすでに到着されていました。今回はM・Fさまの意向で共同で遺品整理を行います。

 

基本的に不要とのことでしたが、それでもM・Fさまに確認をとりながら作業を進めていきます。

 

私どもはキッチンから物置代わりになっている部屋の作業です。M・Fさまも弟様の寝室のものをダンボールに詰めていただきます。

 

適切に仕分けしながら作業を進めていると、寝室から「・・クゥ・・・」「・・・ウゥ・・・ッ」という音が微かに聞こえてきました。

 

何の音かはすぐにわかりました。M・Fさまが声を殺して泣いておられるのです。

 

兄弟を失った悲しみ、「こうしていたら」という後悔の念、罪悪感などなど、これ以上ないほど辛いことは容易に想像できます。

 

しかし、それでも手を止めようとはせず、ときどき嗚咽しながら作業進めるM・Fさま。

 

依頼主様のこのような姿を目の当たりにすると、胸がえぐられるような思いでした。

 

M・Fさまのお気持ちを考えると、私もスタッフもあえて見て見ぬふりをし、遺品整理の作業に集中するようにしました。

 

作業も終盤に差し掛かると、M・Fさまもある程度落ちついてこられました。

 

「いやーすみません。恥ずかしいところを・・・」と泣いていたことを恥ずかしいと感じられたのか、少しだけ照れ笑いをされていました。

 

私も「いえいえ、悲しいのは当たり前のことです。私でもそうなります」と、フォローになっているのかなっていないのかわかりませんが、正直な気持ちをお伝えしました。

 

「すみません。ちょっとこれとこれとこれは残しておこうと思うので、別にしといてね」とM・Fさま。

 



 

作業は順調に進み、最後のクリーニングまで予定通り終わらせることができました。

 

最後にM・Fさまから次のようなお話を聞くことができました。

 

「決して仲の良い兄弟、というわけでもなかったんだけどね〜、やっぱりきついよ」

 

「あんたも身近な人は大切にしておくんだよ」

 

「葬儀のときに離婚した元奥さんも参列してだんだけど、えらく淡々としていて、、、それもなんだか無性に腹がたってね〜」

 

「まあでも、気になっていたことが一つ片付いて気持ちも楽になりましたよ!」

 

「今日は本当にありがとうね」

 

ちょっと愚痴も入っていましたが、とても紳士なM・Fさまは、最後まで丁寧なお礼の言葉をくださいました。

 

弊社としても、M・Fさまが少しでも笑顔になっていただけると嬉しく思います。

 

遺品整理は自分たちで行うことが基本ですが、どうしてもできない事情がある時があります。そのようなときは、弊社の遺品整理サービスをご利用ください。

 

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