【福岡市東区で生前整理】人生を楽しむための生前整理
福岡市東区で生前整理、遺品整理を行っているアークサービスです。
今回ご紹介する事例は、福岡市東区にお住まいの73歳女性、K・Tさまから生前整理のご依頼をいただいたときの事例です。
ご相談内容
夏真っ盛りの8月。一本の電話が鳴りました。
「あのー、部屋の片付けといいますか、身辺整理のお手伝いって可能ですか?」
「一人暮らしのおばあちゃんなんで片付けようにも難しくて」
とのことでした。電話口のK・Tさまはとても快活な印象を受けました。
K・Tさまは「身辺整理」という言葉を使っていらっしゃいましたが、このように先のことを見据えて元気なうちに身辺整理することを「生前整理」といいます。
通常、生前整理のご相談は、本人ではなくその家族の方が、ちっとも整理してくれない親に業を煮やしてご相談をいただくケースがほとんどです。
今回のように、ご自身で先を見据え、自ら行動して生前整理をされる方は非常に珍しいといえます。
弊社では遺品整理に加え、生前整理にも対応しております。問題なく生前整理のお手伝いができる旨をお伝えし、一度お見積もりに伺うことになりました。
お見積もり
お見積もりの日に伺った住所についてみると、木造のアパートでした。築年数は20年以上は経っているであろう建物でしたが、管理が行き届いており小綺麗な印象を受けました。
K・Tさまのお宅は2階です。インターフォンを押しK・Tさまとご挨拶をします。
「今日はありがとうございます。どうぞ中へ」、促され部屋の中へ入ります。ふとここで、70代の女性には似つかわしくない「ごつい靴」が目につきました。不思議に思いつつも中へ。
部屋の間取りは2DK。部屋の中は古い建物ながらもきれいに使われているようでした。とはいえ、一人暮らしの方にしてはものは多めです。
「どうぞおかけください」
そう言われキッチンのイスに座ると、お茶とお菓子を出していただけました。恐縮しながらもお茶をすすります。
「今は私みたいに身辺整理する人って多いのですか?」
「どちらかというと家族の方が困って依頼されることのほうが多いです」と私。
「アハハ、そうなんですね。私はずっと独り身だから家族の苦労ってわからないけど、喧嘩になったりするんじゃないの?」
「はい、大喧嘩まではいきませんが親子で小競り合いはしょっちゅうあります」と答えると、とても楽しそうに話を聞いておられました。どうやらお話がとても好きな方のようです。
つい私も楽しくなって、こんなこともありました。あんなこともありました。と過去の事例で印象的なエピソードをお話しましたが、「うんうん」と楽しそうにされているK・Tさまにとても元気な印象を受けました。
とここで、本題のお見積もりの話になりました。
「この年になると色々考えてしまいます。今死んだらどうなるのかなって」
「頼りにできる身内もいませんし、人様に迷惑だけは掛けたくないです」
「で、ちょっと前に見たテレビで身辺整理の話に影響されて今回相談してみたのです」
「見ていただくとわかりますが、物が多いですよね。昔から捨てるのが苦手で」
「気持ちとしては半分以下に整理したのですがどのくらいかかりますか?」
このようなお話でした。いつも思いますが、テレビの影響は大きいようです。遺品整理や終活に関する特集があると、チラホラとお問い合わせがあります。K・Tさまもその一人のようでした。
さて、お見積もりを行う前に、まずはどこまで整理したいのかを明確にしなければいけません。
これが明確にならないと、不用品の量がわからず正確なお見積もりは不可能だからです。
部屋を見てみると、一部屋は物置がわりにされているようで、季節外れの服や家電が所狭しと並べてあります。クローゼットも服がパンパンです。
また、キッチンにも、これまた一人暮らしとは思えないほどの食器や調理道具が置いてあり、少々窮屈に感じます。
K・Tさまのご希望を聞いたところ、
- 服を一緒に整理してほしい
- 収納家具を減らしたい
- この際部屋全体をみて不要なものを処分したい
このようなご希望でした。さらに「できれば一緒に仕分けしてもらいたい」とのご希望もありました。
弊社では、業者にすべて一任するのではなく、一緒に仕分け作業をすることを推奨しています。なぜなら、遺品整理にしても生前整理にしても、終わった後の満足感がまったく違うからです。
ご自身の目で選別し整理を行うと、「正確な仕分け」が行えます。また、「忘れていたものの発見」「自分でやった達成感」などメリットが非常に大きいです。さらに「こうしておけばよかった」などの後悔もなくなります。
K・Tさまの申し出を快諾し、お見積もりを算出しました。すると、「分かりました。実はもう一社お見積もりをお願いしているところがあるので、後日連絡させていただきます」とのことでした。
ということで、今日のところは帰ることになりました。
2日後、K・Tさまから再度お電話をいただき、「先日お見積もりをしていただいたK・Tです。やはりそちらにお願いしようと思います」と正式にご契約となりました。
作業内容
今回は朝の9時から作業開始です。作業当日現場に向かうと、K・Tさまが出迎えてくださいました。
さっそく作業を始めようとすると、「朝から暑いですね。麦茶でもどうそ。ほら、あなたも」と、私とスタッフに麦茶を振る舞ってくださいました。朝9時とはいえ、非常に暑かったこの日は、冷たい麦茶がおいしかったです。
この仕事をしていると、高齢の方の部屋を整理することは少なくありません。その場合、今回のようにお茶を出してくださったり、昼食に招いてもらったりと色々もてなしてくださいます。ありがたくお茶を飲み干し、さっそく作業開始です。
今回はゴミというゴミもなく、玄関周りもきれいなため、物置代わりになっている部屋の整理から始めます。
この部屋には季節外れの品の他にも、「壊れたストーブ」「壊れた扇風機」「何年も使っていないホットプレート」など、不要なものもありました。これらのものを次々と搬出していきます。
作業中目についたのが、「登山用のストック」「大容量のリュックサック」です。「登山されているのですか?」と聞いたところ、「そうなの。山登りが好きで色んな所に出かけては山登りしているのよ」と嬉しそうに答えてくださいました。
このとき心のなかで「なるほど、玄関にあったごつい靴は登山靴だったのか」と一人で納得したものでした。
「もう40年以上山登りしているけど本当に楽しいのよ。あなたもやってみたら?」
登山歴40年。大ベテランです。私が驚いていると、K・Tさまは山の魅力について楽しそうに教えて下さいました。
その中で、「山登りしていると楽しいんだけど、帰ってくると先のことが不安になって心から楽しめなくなってきたんですよ」
「山登りだから怪我することだってありますからね。この先何があるかわからないという不安も大きくなってきたのです」
「今回の身辺整理も、そんな不安を取り除きたいからお願いしたのです」とのことでした。
生前整理では、先述のとおり家族に言われて渋々行うケースが多い中、このように前向きな理由で生前整理に臨まれている方ははじめてでした。正直、尊敬の念が芽生えました。
「趣味を心から楽しみたい」「人生をもっと楽しみたい」と70を超えても思える人間になりたいと感じたものです。
このような貴重なお話をお聞きしながら、作業をどんどん進めていきます。
ダンボールをすべて開け、一点一点確認をとりながら要不要を仕分けしていきます。次にクローゼット、タンス、押入れ、天袋と見ていき、使わない物、利用頻度が低いものは処分していきます。
キッチン周りも利用頻度の低いものはこの際処分するようにアドバイスをし、見違えるほどスッキリです。
「捨てるのが苦手だ」とおっしゃっていたK・Tさまは、こちらが驚くほど思い切って処分する決意をされます。さすがに趣味の登山グッヅは全て残されましたが、それでもご希望の半分程度のモノの処分に成功しました。
裏を返せば、不要なものをずっと保管していらっしゃったということです。これではせっかくのスペースがもったいないです。
見違えるほど広くなった部屋を見て、K・Tさまはとても嬉しそうです。「長いこと住んでいますが、この部屋がこんなに広かったとは知りませんでした」と笑顔です。
最後に部屋全体のクリーニングを行い、今回の作業は終了です。
最後に、「これで心置きなく山登りできるし、いつ死んでもいいわね」と冗談を言われつつ、今回の楽しい現場を後にしたのでした。
今回K・Tさまにお会い出来たことで、「生前整理はやはり渋々するものではない」と再確認できました。自分自身が生前整理を考える歳になったときに、K・Tさまのように前向きに行動したいと思えた現場でした。
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