【筑紫野市で遺品整理】4年前に自殺したご主人さまの遺品整理
筑紫野市で遺品整理を行っている業者「アークサービス」です。
今回ご紹介する事例は、私の中で特に印象に残っている事例です。
現場は筑紫野市。依頼主様は50代女性、M・Uさまから遺品整理のご依頼をいただきました。詳しい内容をご覧ください。(ここでは写真は控えさせていただいています)
ご相談内容
M・Uさまからいただいたご相談内容は以下のとおりです。
「ホームページを拝見してお電話したのですが、遺品の整理をお願いしたいと思っています」
「なにぶんはじめてですのでどうお伝えしてよいのかわかりません。一度お見積もりをお願いできないでしょうか」
このようなお電話でした。電話でのやりとりでは詳しいお話ができないため、ご希望通り、お見積もりがてらまずはM・Uさまにお会いすることにしました。
お見積もり
現場は筑紫野市のはずれ。山に囲まれ、のどかな田園風景が続いています。M・Uさまのご自宅はそのような田舎にある一軒家でした。
「ここかな」
グーグルマップを片手に現場たどり着いたとき、車が入ってくる音を聞いたのかM・Uさまが家の中から出てこられました。
車を降り、「こんにちは。今日はよろしくお願いします」と私。
「こんにちは。迷われたんじゃないですか? ちょっとわかりづらいところにありますから」
「今日はわざわざありがとうございます」とM・Uさま。
「中へどうぞ」と促され、家の中へ入ります。そのままM・Uさまについていくと、ある部屋の前まできました。
「今回お願いしたいのがこちらの部屋なのです」
「本当に久しぶりに開けます」
そういって開けていただいた部屋は、独特の空気に支配されています。「人の気配がない部屋」とでもいいますか、空気がまったく動いておらず、「シーン」とした空気に包まれていました。カーテンも閉め切られていたため、とても薄暗い部屋でした。
その部屋には、「ベッド」「机」「クローゼットハンガー」「イス2脚」「布団」「男性物のバッグ・服・下着」「タンス2棹」があり、押し入れの中にも、男性物の洋服や換えの布団がぎっちり収納されていました。
「こちらの部屋の片付けをお願いしたいのです」
「実は主人が4年ほど前に亡くなったのですが、ここにある遺品を処分することができなかったのです」
「ただ、近々息子夫婦が一緒に暮らしてくれるようになり、これを機に遺品を処分しようと考えています」
「部屋を広くしなくちゃいけませんからね」
「一緒に住んでいる主人のお母さんはずっと(処分することに)反対していたのですが、孫が帰ってきてくるのでやっと折れてくれたのです」
M・Uさまは今回ご相談いただいた経緯を話してくださいました。
愛する伴侶、愛する子供を失った悲しみを考えると仕方ないことであり、簡単に気持ちの整理がつくものではありません。
M・Uさまは年齢は50歳くらい。私は「ご主人様は病気か何かで若くして亡くなられたのかな」なんて考えながらお見積もりをしていました。
ここでM・Uさまの義母さま。つまり、おばあさまがお見積もりの様子を見に来られました。80歳くらいでしょうか。
「どうかよろしくお願いします」
と小さな声で一言。その後は正座したまま黙って見積りの様子を見ておられました。
部屋を確認後、この部屋をどうしたいのかM・Uさまに聞いてみると、
- 必要なものは見つけたはずだがもう一度確認しながら整理したい
- 必要なものがなければ部屋をカラにしてもらいたい
- ついでに家にある不用品を処分したい
と、このようなご希望でした。ご希望を考慮し正確な料金を算出します。お見積もりにはご納得いただけたようで、その場でご契約となりました。
整理についてはとくお急ぎではないようでしたが、ちょうど次の日に作業可能だったため、翌日に作業を行うことになりました。
作業内容
作業当日。現場到着後、M・Uさまとおばあさまにご挨拶をします。
ここでおばあさまから、「線香をあげてやってください」とお願いをされました。
御仏前で線香をあげ、手を合わせます。
ふと見ると、そこには部屋の片隅で亡くなられた息子様の写真を撫でながら座られているおばあさまがいらっしゃいました。
遺品整理をしていると、このような心がえぐられるような場面に遭遇することがあります。
小さな体を更に小さくして、両手で挟むように写真を撫でておられます。
「今日はよろしくお願いします」と私。
おばあさまも「よろしくお願いします」と一言。
M・Uさまも、「すみませんね。お線香まであげてもらって」
「いえいえ、いつも手を合わせて整理に入りますので」と話をし、さっそく作業をはじめることになりました。
作業自体はいつもどおりの作業です。タンスやクローゼットを開け、中のものを一点一点確認しながら要不要を仕分けしていきます。
このときも部屋の外で、おばあさまは正座をして作業の様子を見ておられました。気持ちの整理をつけるためでしょうか。黙ったままずっと見ていらっしゃいました。
手際よく作業を進めていきます。お見積もりのときに言われていたように、事前に必要なものは取り除いてあったためか、ほとんどのものは処分ということになりました。
作業も終盤に差し掛かったころ、おばあさまが不意に声をかけてこられました。
「丁寧に扱ってもらってありがとうね」
「疲れたでしょ。こっちにいらっしゃい」
と、キッチンでお茶をいただくことになりました。ここで次のようなお話を聞くことができました。
「◯◯はね、自殺しちゃったの」
「仕事を早くやめちゃてね。いろいろ悩んでいたんだろうね」
突然のお話にびっくりしてしまいましたが、私とスタッフは黙ってお話を聞いていました。M・Uさまも口を挟まず聞いておられます。
「世間体を気にする子だったから、家でブラブラしているのが堪えたんだろうね」
「急にいなくなってね〜。近所の人も総出で探したんだよ。山で見つかったときにはもう死んでいたんだよ」
「なんで気づいてやれなかったんだろうね〜」
淡々とした口調でお話をされていましたが、息子に先立たれてしまった悲しみが伝わるようでした。
私はこのようなお話を聞くと、「自分がもしそうなったら」と考えてしまうクセがあります。「自分の子が先に死んでしまったら。自殺してしまったら。私は正気でいられるだろうか」とその時ぐるぐると頭のなかで考えました。
頷くしかできない私に気を使ってか、M・Uさまが「業者さんも困ってあるようだからそのへんで」とおばあさまに声を掛けられていました。
おばあさまは何も言わず、「うんうん」と頷かれます。
M・Uさまに促され作業に戻ります。
「すみません、変な話を聞かせてしまって」とM・Uさま。
「人にお聞かせするようなお話ではないのですが、私もおばあちゃんも自分を責めてしまって・・・」
「でも・・・部屋を整理していたら少し気が紛れたというか・・・」
「では残りも頑張りましょう」と私。最後は押し入れの中にある布団や衣装ケースの整理です。
ここでも残すものは何も見つからず、最後に部屋全体のクリーニングをして作業は終了です。
最後に「助かりました。女二人だからどうしようもなくて。ありがとうございました」とM・Uさまにお礼の言葉をいただきました。
おばあさまも「ありがとう」とお礼の言葉をいただき、今回の現場は終了しました。
作業自体は普通の遺品整理でした。しかし、息子を亡くした母親の悲しみ、主人の悩みに気づいてやれなかった妻の後悔など、これまで行ってきた遺品整理の中でも忘れることができない現場でした。
M・Uさまもおっしゃっていましたが、遺品の整理をすることで心の整理ができることがあります。遺品整理でお悩みのときは、是非弊社アークサービスまでご相談ください。
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