エンディングノートを最後まで書くことができない理由
弊社アークサービスは、部屋片付けと遺品整理を専門で行っている業者です。遺品整理の依頼をいただき部屋を整理をしていると、書きかけのエンディングノートを発見することがあります。
出てくる頻度は少ないですが、依頼主様にエンディングノートが見つかったことをお伝えすると、とても喜んでくださいます。
そして、ほとんどの方がその場でエンディングノートを開き、中を確認されます。しかし、「ほとんど書かれていないです」と苦笑いをされることが多いです。
実際に見せていただくと、始めの数ページしか記入されておらず、エンディングノートとしての機能は果たしていません。
その他、生前整理を依頼されることも多いですが、このときエンディングノートの話題になることがあります。そして次のような言葉をよく聞きます。
「流行につられて買ってはみたけど、なかなか書き進めることができない」
「途中まで書いてみたけど面倒になってしまった」
このような内容です。依頼主様は笑って話してくださいますが、現実としてこのような方はとても多いようです。
それでは、なぜ上記のようにエンディングノートを購入しても書くことができないのでしょうか。ここでは、その理由と対処法について解説していきます。
書く項目が多すぎる
エンディングノートは、遺産相続や終末医療に直面したとき、家族がその判断に困らないように書くものです。そのため、エンディングノートにはさまざまな状況を想定し、残される家族にとって必要と思われる項目が網羅されています。
事前に書く内容がわかるため、これからエンディングノートを書いてみようと思うユーザーにとっては非常にありがたいものです。しかし、逆にその膨大な項目が原因で、書きはじめる前から戦意喪失する人が多いのです。
これは実際にお客様から聞いた言葉ですが、「この項目をすべて埋めるのかと思うと、やる気がなくなる」と話してくださった方もいらっしゃいます。
さらに実際に書き始めてみると、調べなくてはわからない項目がでてきます。例えば、資産状況や交友関係の住所録などです。この調べる作業が大変で挫折します。
エンディングノートは遺言書とは違い、気軽に始めることができるというのが売りです。ただ、多くの人は本当に簡単に書き上げることができると勘違いしています。
これまで述べてきたように、エンディングノートには膨大な項目と調べなくてはならないことがあります。途中で挫折することなく、すべての項目を書き上げるためには、本を1冊出版するくらいの心構えが必要なのです。
ただ、このようなことを言ってしまうと「エンディングノートを書いてみよう」という方はいなくなってしまいます。そこで、次のように考えてください。
項目を絞る
さまざまなメディアで「エンディングノートを書きましょう」といわれています。しかし実際には、エンディングノートを書き上げるまでには上記ような壁があります。
そこで、「すべての項目を書く必要はない」と考えるようにしてください。自分が伝えたいことだけに絞って書き進めていくのです。
そして、ここで重要なことは、どうしても家族に伝えておきたい項目だけは最後まで書き上げることです。
例えば、家族間の相続争いを絶対に避けたいのであれば、相続に関する項目は最後まで書ききるようにしてください。介護や葬儀の希望があれば、そのことに関する項目だけは書き上げてください。
このように、項目を絞って伝えたいことを書くことで、途中で挫折することなく書き勧めることができます。そのほかの項目は無視してしまっても大丈夫です。
最初の数ページしか書かれていないエンディングノートと、家族の助けとなる内容が1つでもしっかりと書いてあるエンディングノートでは、どちらが価値があるでしょうか。
また、自分が家族に一番伝えたいことは何かを真剣に考え、その内容に適したエンディングノートを選ぶことも重要です。現在ではそのようなニーズから、さまざま種類のエンディングノートが販売されています。一度書店に出向き、どのようなエンディングノートがあるのかを確かめてください。
ここでは、エンディングノートを最後まで書くことができない理由と、その対処法について解説してきました。
エンディングノートに書く内容は膨大であり、これが原因で途中で挫折してしまいます。ここで重要なことは、自分が伝えたいことだけに絞って書き進めていくことです。
そうすることで、残される家族にとって価値のあるエンディングノートを作ることができます。
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