片付けられない原因を作る「ストレス」とは
ストレスと片付けられない悩みは、とても重要な関係にあります。ストレス自体は病気ではありませんが、ストレスによってもたらされる病気はたくさんあります。
日常的にストレスという言葉を使っていますが、そもそもストレスとは何のことでしょうか。
ストレスとは
ストレスとは、心や体に「何らかの刺激を受けている状態」のことをいいます。そして、その刺激している原因のことをストレッサーと呼びます。例えば以下のようなことです。
ストレッサー=嫌いな上司
ストレス=その上司に対する恐れ、怒りなどを感じる心
そして、このような身体的・心理的変化をストレス反応といいます。ストレッサーには、次のようなものがあります。
ストレッサーの種類
物理的ストレッサー(暑さ、寒さ、騒音など)
化学的ストレッサー(薬物、アルコール、タバコなど)
生理的ストレッサー(睡眠不足、疲労、健康障害など)
心理的ストレッサー(不安、緊張、怒り、憎しみなど)
社会的ストレッサー(仕事、対人関係、経済的な問題など)
渋滞にはまったときのイライラや、嫌いな食べ物が出たなどの小さなストレスをマイクロストレッサーといい、このようなものまで含めると日常的になにかしらのストレスを受けていることになります。
ストレスはあなたを守るもの
ストレスという言葉を聞くと、悪いイメージを持ってしまいがちです。しかし、ストレスは心と体のためにはなくてはならないものなのです。
人間はストレスを受けることによって、そのストレスに適応しようとします。例えば、「暑い」というストレスをうけると、体はその暑いというストレスに適応するために身体は汗を流し、体温の調整をします。
また、仕事や人付き合いなどで疲れてしまったとき、ストレスがあるおかげで人は身体を休めようとします。このような適応プロセスを、ホメオスタシス(生体恒常性)と呼び、人は自分自身で健康を保とうとするのです。
ただ、このストレスにも良いストレスと悪いストレスがあります。大きく分けると次の2つに分類することができます。
善玉ストレス
善玉ストレスというのは、心や身体によいストレスのことです。一言でいうと、「適度な緊張感」になります。
例えば、仕事で重要なポストを任されたとします。「成功させたい」「期待にこたえたい」という心の変化でストレスを感じますが、これはやりがいのあるストレスです。重要な仕事を成功させたとき、ストレスから開放されるとともに素晴らしい達成感を味わうことができるでしょう。
その他、念願のマイホームを手に入れ、新居に引越しするまでの間はとてもワクワクすると思います。新生活に対する楽しみや不安は、適度な緊張感を楽しんでいる状態なので「ワクワクする」という気持ちになります。
好きな人と一緒にいられて幸せな気持ち、友達と遊んで楽しい気持ちなどもストレスの一つです。普段の生活の中で、ドキドキすることやワクワクすることはとても大切なことです。ストレスを感じられないということは、これらの感情も感じることはできません。
ストレス研究の第一人者ハンス・セリエ博士は、次のような言葉を残しています。「ストレスは人生のスパイスである」と。適度なストレスは、人生にメリハリを持たせてくれる調味料なのです。
悪玉ストレス
善玉ストレスとは逆に、心や身体に悪い影響を及ぼすストレスが悪玉ストレスです。一般的に言われるストレスとは、この悪玉ストレスをイメージすると思います。
過度な緊張感や、自分では抱えきれない大きな悩みが続くと、心や身体に不調をきたします。例えば、どうしてもソリの合わない同僚と毎日働かなくてはならない場合や、道路工事で長い期間騒音で悩まされた場合などです。
このように、我慢が必要なストレスを継続的に受けてしまうと、最初のうちは耐えることができたとしても少しづつ心は疲れてしまいます。
初期の段階では、頭痛や肩こり、不眠や食欲減退など不快な症状が出はじめます。さらに、その疲れた心をそのままにしてしまうと、神経症(ノイローゼ)やうつ病などの病気を発症してしまいます。
ストレスと病気
ストレスは万病の元といわれます。強いストレスを継続的にうける事により、病気に対する抵抗力が弱くなってしまうからです。これを「免疫不全」と呼び、様々な病気の原因になっていることが知られています。
本来、人間の修復能力と適応能力はとても優れており、少々のダメージだったら自然に治癒してくれます。しかし、過度のストレスを継続的に受けることで、この機能がうまく働かなくなることがあります。これは、自律神経が正常に働かなくなっていることが原因です。
この自律神経というのは、無意識のうちに刺激や情報に対して身体の機能をコントロールする神経のことです。例えば、「楽しいと笑う」「悲しいと涙が出る」「暑いと発汗する」「疲れると眠たくなる」といった欲求は、無意識のうちに身体を守ろうとする自律神経の働きによるものです。
その自律神経が正常に働かないということは、身体を守る機能が低下しているということになります。したがって、「ストレスを受ける」→「自律神経が正常に働かなくなる」→「免疫力が下がる」→「病気になりやすくなる」ということなのです。
ストレスと片付け
弊社をご利用いただくお客様の中には、「片付けのことを考えると頭が痛くなる」と話してくださる方もいらっしゃいます。これは、片付けが苦手な方にとって、「片付けよう」と思うこと自体がストレスになっていることが原因です。
ただ、このとき無理をしてしまっては、このストレスがさらに大きくなってしまい、うつ病などの病気にかかってしまうかもしれません。
そこで、そのように片付けることにストレスを感じるのであれば、「片付けをしない」と決めることが大切になります。片付けをしなくても死ぬことはありません。
もしそれでも片付けをしなくてはならないのであれば、一人で無理をするのではなく、第3者に協力してもらうことで解決することができます。家族や友人を頼りにしてもよいです。弊社のようなプロに頼むといった方法も考えられます。
片付けにストレスを感じている方は多いです。そのようなときは、解決できる人に相談するようにしてください。