親の家の片付けでは、危険を排除することを念頭に取り組む

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実家の片付けを考える方に、「なぜ実家を片付けようと思ったのですか」とお聞きすることがあります。その理由の中で最も多いのが、「親に快適な生活をしてもらいたい」というものです。

 

人によって、「快適」の意味合いは違ってきます。ただ、弊社に相談されるほとんどの方は、「モノが多すぎて危険を感じる」と思われているようです。

 

そこで、ここでは散らかった実家や、モノが多すぎる実家の危険性について詳しく説明していきたいと思います。

 

散らかった実家の危険性

 

医療機関を利用し、患者から収集した事故情報によると、65歳以上の事故発生場所は、実に77.1%が家庭内で起こっています

 

具体的な事故の例としては、次のようなことが挙げられます。

 

・床に置いてある服で滑って転ぶ
・敷きっぱなしの布団に足をとられて転ぶ・
・物が置いてある狭い階段を踏み外して転落する
・ごちゃごちゃになったコードに足をとられて転倒する

 

などです。これらの事故は、特に整理できていない部屋で起こる可能性が高いです。なぜなら、整理された部屋では、転ぶものがないからです。

 

もちろん、階段の踏み外しや風呂場での転倒など、片付けでは解決できないこともあります。しかし、整理された部屋と散らかった部屋では、整理された部屋のほうが明らかに転ぶリスクは減少します。

 

実際に、弊社にご相談いただく段階で、すでに怪我をしてしまった方もいます。そして、怪我をしたことがきっかけで「片付けを意識し始めた」という方もいらっしゃるのです。

 

さらに、高齢者の家庭内事故による怪我や骨折は、重症化する恐れがあります。そして、このことがきっかけとなり、寝たきりになるケースは少なくありません。

 

その他、転倒や転落以外でも気をつけなければならないことがあります。それは、落下物です。実際の現場でも、落下する可能性がある物が置いてある場合は、特に注意をして作業にあたります。

 

おそらく、どのような家庭でも見られることですが、タンスやクローゼットの上部に物を積み上げてはいないでしょうか。この積み上げられたものを下ろす際、誤って落下させてしまうケースがあるのです。また、ご自身で落下させなくとも、地震などの災害で落下してくる可能性もあります。

 

このようなことから、高齢者がいるご家庭では、家庭内が最も危険であることを認識しなければなりません。そして、怪我をしないためにも、危険な物をいかに排除できるかが重要になってきます。

 

(データの出典:独立行政法人国民生活センター)

 

親の目線で考える

 

それでは、このような家庭内に潜む危険を排除するには、どのようにすれば良いでしょうか。そのためには、「親の目線」で考える必要があります。

 

親の目線とは、親の体力、身長、できること、できないことなどを考えて整理を行うことです。具体的な例として、次のようなことが考えられます。

 

・親の手が届かないところに物を置かない
・使うものは全て1階に保管し、2階の部屋は使用しない
・必要以上のものを置かない
・一目でわかる配置にする

 

など、このようなことが考えられます。

 

ここで重要になってくるのが、現在のご両親に合わせて整理をすることです。しかし、多くの方は、健康であったときの両親のイメージが抜けていないように見受けられます。

 

実家の片付けに関する相談者の中には、「親はとても元気で手がつけられません」とおっしゃる方がいます。しかし実際には、これまで当たり前のようにできていたことが、難しく感じている場面があるかもしれません。

 

また、本当に今は元気な親御さんでも、将来的には必ず身体は衰えていくものです。そのため、できるだけ早いうちから、実家の片付けを意識することはとても大切なことです。

 

ただし、言い方には注意しなければなりません。例えば、「お父さんにはできない」、「お母さんには無理だ」のような言い方は、親御さんから反発される可能性があります。

 

上記のように、できないことを強く言葉に出してしまうと、「馬鹿にしている」と思われるかもしれません。例えば、あなたが旅行のスケジュールを頼まれたとします。このとき全て任されたにもかかわらず、心配されて何度も確認の電話がかかってきたとしたら、「そこまで信用がないのか」と感じてしまうと思います。

 

それと同じように、親に対して心配のしすぎは禁物です。特に親というのは、子供から心配されることを嫌がる方が多いです。そのため、あくまでも、両親に気持ちよく生活してもらうための片付けであることを、しっかりと話し合うことが大切です。

 

このように、実家に多くのモノが散らかっていると、その分だけ家内で事故が起こりやすくなります。実家に住む親が怪我をしないためにも、実家の片付けをするのはとても大切です。

 

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