親の説得では、「落としどころ」を見つけることが成功の鍵

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「落としどころ」という言葉は、誰でも聞いたことがあると思います。それでは、そもそも落としどころとは何を意味するものでしょうか。

 

落としどころとは、双方の主張が折り合わないときに、お互いに歩み寄って納得できる終着点を指します。

 

お願いをする立場の人間は、本音としては自分の意見を100%呑んでもらいたいものです。その一方で、お願いを聞く側にとっては、素直に従うことができない立場や状況にあるかもしれません。そのため、こちらの意見を100%呑んでもらうことは難しいことを理解しなければなりません。

 

そうは言っても、親御さんのことを心配している方の話を聞くと、生前整理や老前整理をしないという選択肢は選ばないほうが懸命です。

 

そこで重要になってくるのが、落としどころです。親御さんのためにも、お互いが納得できる妥協点を探す必要があります。それでは、落としどころを探し、説得を成功させるには、どのようにすれば良いでしょうか。

 

お互いが得をすることを考えると「落としどころ」が見えてくる

 

落としどころを探す場合、双方のメリットを探すことを意識すると見つけやすいです。

 

そもそも、人というのは自分にメリットがないと行動できない生き物です。たとえ信頼を寄せている実の子供からの説得だとしても、自分にメリットがなければ説得には応じてくれません。

 

したがって、落としどころを見つけるためには、整理したことによるメリットを伝える必要があります。それでは、実家を片付けたことによるメリットとは、どのようなものがあるでしょうか。

 

・つまずく危険性が減る
・地震などの災害が起きたときに、落下物をなくすことができる
・モノを探す時間を短縮できる
・清潔で快適な暮らしができる
・広いスペースを確保できれば、孫が来たときにたくさん遊んでくれる
・使っていないものを再利用することで、社会貢献ができる
・必要なものを確認しやすくなるので、無駄な買い物が減って節約になる
・危険を排除することができるので、周り(子供)に安心してもらえる

 

このようなメリットが考えられます。ただし、何をメリットと考えるかは人によってまちまちです。これがわからないことには、説得は難しいです。そのため、普段からしっかりとコミュニケーションをとっておく必要があります。

 

逆にお願いをする方は、一つでも片付けることができたら実家の片付けは成功と考えると良いです。この「一つだけでも片付けた」という事実が大切です。

 

考えてみてください。これまで何一つ片付けてくれなかった親御さんが、一つだけとはいえ片付けをしてくれたのです。この時点で一歩前進したことになります。

 

また、これまでの経験上、一つでも捨てることができたのであれば、二つ目を捨てることは比較的簡単になります。さらに、少しでもきれいになっていく部屋を目の当たりにすると、やる気が出てくることがあります。

 

このように、成功の定義は意識一つで簡単に変えることができます。これが「歩み寄り」です。このことを意識してもらうと、実家の片付けはうまくいきます。

 

相手がメリットを感じない場合の対処法

 

こちらがどれほど整理をすることが大切であるかを説明をしても、中にはそれをメリットと感じない方は少なからずいらっしゃいます。その場合は、どのような対処をすれば良いでしょうか。

 

この答えはとても簡単です。今回は説得することを諦めましょう。

 

人の価値観は、一つとして同じものはありません。そのため、モノに囲まれた生活が幸せであると感じているのかもしれません。また、メリット以上に、捨てることへのデメリットを感じているのかもしれません。

 

このようなときは、無理に整理する必要はありません。このことが原因で、家族間の仲が悪くなっては、その後の説得が不可能になることがあるからです。

 

今の時点では難しいかもしれませんが、将来的には意見が変わるかもしれません。そのときまで、「気長に待つ」という決断をすることも大切です。

 

このように、落としどころを探すことは、双方が幸せになるためのテクニックといえます。自分の主張を押し通すのではなく、こちらからも歩み寄り、お互いが納得できる終着点を見つけ出すことが大切です。

 

また、こちらの主張に対し、相手がメリットを感じないことも考えられます。そのようなときは、説得は不可能であることを認識し、無理をせず諦めることも大切です。

 

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