実家を空き家にすると驚くほど老朽化が進む理由
実家を相続したものの、なんとなくそのまま放置している方は多いです。しかし、このとき注意しなくてはいけないことがあります。
それは、急速な老朽化です。メンテナンスのされていない家は、加速度的に劣化します。ここでは、その理由について解説していきます。
換気ができていない
遺品整理やゴミ部屋の現場に入ることが多いですが、締め切った部屋というのは独特の空気があります。長年開けることがなかった部屋は、どんよりとしておりカビの臭いがすることもあります。
このように全く換気がされていない部屋は、いたるところにほころびを見ることができます。例えば、換気がきていないため湿気がたまります。
その湿気が原因で木材が腐ったり、シロアリなどの害虫が発生したりします。また、カビが非常に発生しやすくなり、壁紙や畳などは甚大な被害を受けていることがあります。
設備が使われていない
放置された家では水道や換気扇などの設備が使われません。長年使われていない水道は、中が錆びてしまい蛇口をひねると茶色い錆が流れることがあります。
換気扇や給湯器も同様に、動かしていなければ錆が発生しやすいです。そのため、錆びによりこれらの設備が壊れる原因になります。
壊れても放置される
管理者がいない家屋では、設備が壊れても修理されることがありません。例えば、何らかの原因で窓が割れてしまっても、そのまま放置されます。その穴から害虫が侵入したり、ときには不法侵入をされたりする可能性が出てきます。
その他、雨漏りが発生しても修理されないため、これが原因でカビの発生や木材の腐食が急速に進行します。
害獣、害虫の発生
これは実際にあった事例ですが、もともと住んでいた家が非常に不便な場所にあったため、便利の良い場所に引越しをしたお宅がありました。
しかし、元の家はお爺様が建てられた家であるため、そのまま残していたそうです。しかし、残すといってもメンテナンスはほとんどできていないため、あるときイタチやタヌキなどの害獣が住み着いてしまい、家中をめちゃくちゃにされたお宅がありました。
別の事例だと、ゴミ部屋に耐え切れず逃げ出してしまい、7年間部屋を放置していた依頼主様がいらっしゃいました。実際の現場を見てみると、トイレの水はすべて蒸発しており、下水の嫌なにおいが充満しており害虫が侵入していました。
水洗トイレに溜まっている水は「封水」と呼ばれ、配水管からの害虫の侵入や悪臭を遮る役目をになっています。その封水が長年放置したことにより無くなっていたのです。
これにより害虫の侵入を許してしまっていた可能性があります。害虫は壁紙を汚したり、家具をかじったりして急速に部屋の中をダメにしてしまいます。
ここでは、放置された家が急速に劣化する理由について解説してきました。相続した実家をそのまま放置していると、上記で述べた理由により老朽化が進みます。
現在の放置している空き家をお持ちの方は、早急に対処することで大切な資産を守ることができます。
→ 【画像あり】実際にあった実家の片付け・ゴミ屋敷清掃の事例を見てみる