田舎の実家を売りたくても売れない理由とは
遺品整理を依頼されたときによく伺う話があります。それは、「実家を売りに出そうとしても買い手がつかない」というものです。
依頼主様はご自身で家を建てられており、生活の基盤はそちらに移っています。今後は実家に戻る可能性がないため、売れるときに売ってしまいたいというのが本音のようです。
しかし、不動産業者に仲介してもらっても全く売れないとのことでした。それでは、格安で売りに出しているにもかかわらず、全く買い手がつかないのはなぜでしょうか。
田舎には不動産の需要がない
都会や利便性の高い都市であれば中古不動産の売買は盛んに行われています。それは需要と供給のバランスが成り立っているからです。しかし、田舎の不動産には供給はたくさんあっても需要がありません。
「定年後は田舎で農業をやりたい」「田舎で趣味のランプシェードを作って暮らしたい」など、明確な目的がある人でなければわざわざ利便性の低い田舎に住もうと考えないからです。
また、田舎の実家というのはそのほとんどが30年も40年も経過しており、建物自体が老朽化しています。そのため、たとえ田舎暮らしに興味があったとしても、リフォームやクリーニングに莫大なお金がかかるため断念する人も多いようです。
そのほかの問題として、仲介する不動産業者が力を入れていないことがあげられます。田舎の不動産はなかなか売れないため価格を安く設定している傾向にあります。
不動産業者に入る手数料は、取引価格から算出されます。そのため、取引価格が安いと仲介する不動産業者に入る手数料もたかが知れているのです。
売れてもお金にならない物件に時間を割くよりも、新築や需要のある物件をこなしたほうがはるかに利益になります。こうした理由から買い手が見つかりにくい傾向にあるのです。
ここでは、田舎の実家が売れない理由について解説してきました。あなたがもし実家を売りに出したいときは、上記のような事実を踏まえ、売却までに数年かかることがあることを覚えておいて下さい。
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