汚部屋を自力で脱出する方法
床が見えないほどゴミを溜め込んでしまった部屋を「汚部屋」といいます。実はこのような部屋で生活している方は少なくありません。
汚部屋で生活する多くの方は、「今の状況をどうにかしたい」と思っています。しかし、部屋を汚してしまった恥かしさから誰にも相談できず悩んでいることが多いです。
また、恥かしい気持ちから誰にも知られたくないため、まずは自分ひとりで片付けようと考える方も多いようです。ただ、自力でゴミ部屋を片付けることは簡単ではありません。
多くの人が自分で片付けようとして失敗しています。そこでここでは、自力で汚部屋を片付けるときに注意するべき点について解説していきます。
短期集中が片付けの基本
片付けは短期間で終わらせることが理想です。なぜならのんびりとやっていてはモチベーションが続かないからです。
そのため、休日などを利用して一気に終わらせることを念頭に取り組んでください。広い部屋で不要品の量が多く、1日で片付けることが難しい場合でも3日以内に終わらせるようにしましょう。また、3LDKなど広くてモノが多い場合でも、1週間以内を目標にするようにしてください。
また、不要品の量、協力者の有無により片付けの方法は異なってきます。1日で終わらせることができれば理想ですが、一人で片付ける予定の方は、1日で終わらせることは難しいかもしれません。
例えば、床が見えているライト級の汚部屋であれば1日で終わらせることも可能です。しかし、床が見えないほどゴミが堆積している場合は数日かかることがあります。一軒家の整理や、遺品整理をする場合も一日で終わらせるのは難しいことが多いです。
このような場合は日程を決め、決めた日程通りに片付けるようにします。
汚部屋を片付けるときの心構え
汚部屋を片付ける上で最も重要なことは、最後までやりきる決意を固めることです。精神論で申し訳ないのですが、これは本当に重要です。
私のように慣れた人間でも、不要品の量によっては挫けそうになるときがあります。どれだけ片付けても目の前の光景が変わらないように見えるため、まるで樹海をさまよっているような感覚になります。
それでも、やると決めたからには最後まで諦めない覚悟を持って臨む必要があります。
この覚悟がないと、私が何度も現場で見てきたように、ゴミ袋を数枚分をだけ片付けて途中で諦めてしまうことになってしまいます。
その他、実際に不要品を運び出すとなると、体力に自信がある方でも大変です。特に、エレベーターがないマンションなどにお住まいの方は、相応の覚悟を持って臨む必要があります。なぜなら、弊社の業務の中でも最も体力的にきついのが階段の上り下りだからです。
弊社の体力に自信のあるスタッフでも、連続で5往復もすると息が切れ始めます。これが不要品を運びながら10往復、30往復となってくると足がパンパンになります。
このようなことからも、汚部屋の片付けはとても大変な作業であることがわかります。そのため、中途半端な覚悟で片付けようとしないでください。少しでも不安があるようであれば、はじめから私どものような業者に任せたほうがよい結果になることが多いです。
このように、大量の不要品を整理したことがない方は、部屋を片付ける際にさまざまな壁があることを覚えておいてください。そして、それでも自分でやると決めたのであれば、どれだけ大変でも最後までやりきる覚悟で望むことが大切です。
予定通りにはいかない
ある程度の予想を立ててゴミ部屋の片付けを始めても、間違いなくあなたの予定通りにはいきません。それは、汚部屋を片付けた経験がないからです。
特に、ゴミで床が見えない状態の部屋であれば、分別や運び出しにどれだけの時間がかかるのかを予測することは不可能です。
実際のところ、私もこの仕事を始めた当初はまったく時間の見積りができませんでした。経験をつんだ今でこそ正確に時間を出せますが、はじめての方には難しいと思います。
このようなことから、あなたの予定通りに終わらせることは難しいと考えてください。このことを理解しているだけでも、挫折する確率は低くなります。一人でゴミ部屋を片付けるときは、心と時間に余裕を持って取り組むことが大切です。
その他、見えていないゴミや、ゴミそのものの存在を忘れてしまっていることが良くあります。例えば、皆さんが忘れている場所で一番多いのがベランダです。
これまで、何百件ものゴミ部屋清掃を行ってきましたが、汚部屋の共通点としてカーテンが閉め切っていることが挙げられます。カーテンそのものをつけていない部屋をのぞくと、ほぼ100%の確率でカーテンが閉まっています。
これは、「散らかった部屋の中を見られたくない」という思いから閉め切られている場合が多いです。そして、このような部屋で長年生活していると、何年もカーテンを開けたことがないという方がほとんどです。
そのため、ベランダに放置していたゴミのことを忘れてしまい、いざ片付け始めた際にカーテンを開けて愕然としてしまいます。また、ゴミの堆積量が莫大な汚部屋になると、クローゼットや納戸が開きません。堆積したゴミに圧迫されて、扉を開けることができないからです。
そして、このような部屋は数年単位で扉を開いたことがないため、当時クローゼットや納戸の中にに何が入っていたのか忘れてしまっているケースがとても多いです。
実際の現場の声として、「何が入っているか忘れました」、「たぶん○○だったと思います」などと言われます。これは仕方のないことですが、実際に片付けを始めたあと、中に入っている不要品の量を見て心が折れてしまう場合があるようです。
これまで話してきたように、途中までは頑張って自分で片付けようと考える方は少なくありません。しかし、見えないゴミや忘れてしまっているゴミを発見してしまうと挫折してしまいます。
そのため、これから汚部屋を自力で片付けようと考えている方は、「見えていないゴミがあること」「忘れてしまっている不要品があること」を念頭に取り組んでください
片付けはどこから始めると効率がよいか
どの程度ゴミが溜まっているかにもよりますが、まずはゴミを運び出すための通路を確保しなければいけません。これができていなければ、汚部屋を一人で片付けることはできません。
これまで実際の現場を見てきて思うことがあります。それは、自分で片付けようとする方の多くは、普段生活している部屋から片付けようとします。例えば、テレビがある部屋などがこれにあたります。
しかし、ある程度のゴミをまとめることができたとしても、今度はその大量のゴミを運び出さなくてはいけません。このとき通路が確保できていなければ、運び出すことが困難で挫折することがあります。
このような現場は本当に多いです。なぜこのようなことが起こるのかと言うと、最も長くいる部屋であるため、その部屋のゴミが頻繁に目に映るからです。そして、最も目につくゴミから処理しようとして失敗してしまいます。
これらのことからもわかるように、ゴミ部屋を一人で片付ける際には通路の確保を行うようにしてください。まずは玄関、その次に廊下、それが終わってはじめて部屋の片付けに取り組むと効率がよいです。
迷うものは後回し
不要品を分別していく過程で、捨てるのか残すのか迷うものが必ずでてきます。このようなものは後回しにしてください。これらのものを1点1点仕分けしていては全く作業が進みません。
何時間も作業したにもかかわらず、部屋の状況がほとんど変わっていないと、モチベーションが持たず挫折してしまいます。汚部屋掃除で大事なことは、部屋の状況が目に見えてきれいになっていくことを実感することです。
これを実感することができると、さらにやる気が出て作業が捗ります。そのため、いたずらに時間がかかる迷うものは後回しにし、明らかに不要なものをどんどんと処分していくことをお勧めします。
挫折せず最後までやりきるコツ
一人でゴミ部屋を片付けるときに一番辛いことは、「一人で片付けている」という事実です。一人で一言もしゃべらずと作業していると、だんだんと陰鬱な気分になってきます。
また、「本当に自分一人で終わらせることができるのだろうか」「期限までに片付けることができるだろうか」など、マイナスのイメージを想像してしまいがちです。
このようなときは、適度に休憩を挟みつつ好きな音楽を聴きながら作業を進めると良いです。要は気分転換をしてください。外の空気を吸うことも良い気分転換になります。
その他、ビフォーアフターの写真を見ることもお勧めです。片付けを始める前に写真を撮っておき、そのときの様子と見比べながら作業をするとやる気が出ます。
前述の通り、部屋がきれいになっていくことを実感することはモチベーションの維持に役立ちます。実は、私も片付けの仕事を始めたころはこの方法を使っていました。
そして、「もう無理」と思ったらやめることをお勧めします。なぜなら、無理をして片づけをすると片付け自体が嫌になり、二度とやりたくなくなるからです。体力的にも精神的にも辛くなってきたら、いったん作業をやめ別の日に改めて作業をすると良いでしょう。
ゴミ部屋掃除はとてもきつい作業です。しかし、最後までやりきったときの爽快感は格別です。そして、この「ゴミ部屋を自分で片付けた」ことも自信へとつながります。是非、最後まで頑張ってください。
第3者の力を利用する
ここまで汚部屋を自力で片付ける方法を解説してきましたが、次のような場合は第3者の力を借りることをお勧めします。
時間が限られている
急な転勤や引越しなどで、整理を終わらせなければならない期限があるときは、第3者の力を利用したほうが良いです。冒頭にあるように、片付けにかかる時間を予測することは難しいです。
そのため、確実に期限内に終わらせなければならないときは、ひとりで片付けるという選択をしないほうが懸命です。
弊社にご相談をいただく中で、1割程度はこのように期限ギリギリの依頼があります。お話を伺ってみると、「自分で片付けをやっていたが、途中で間に合わないと判断しました」というような声は多いです。
結局のところ、一人で片付けるには限界があります。このように時間が限られている場合は、第3者の力を利用してください。
重量物がある
大型の家具やピアノなどの特殊な重量物がある場合も、第3者の力を利用する必要があります。とにかく重量物の運び出しは危険です。
ほとんどの方は、大型の家具を持ち運ぶといった経験がありません。そのため、重量物を持ち上げるときのコツや、移動の際に注意するべき点などがわかっていません。
「運ぶ最中に落として壊してしまった」程度であれば、お金の問題で済みます。しかし、「人と接触した」、「落としてしまい人にぶつけてしまった」などの問題が発生することは避けなければいけません。
業者ではなく、友人などの手を借りる方法でもかまいません。重量物を運び出すときは、必ず第3者の力を借りるようにしてください。
これまで、汚部屋を一人で片付けるときに注意するべき点について解説してきました。不要品の量によっては、やる気次第で片付けることも可能です。
しかし、条件によっては一人で片付けることが難しい場合があります。そのようなときは、無理をせず友人や業者など、第3者の力を利用することも大切です。
まとめ
このページでは、ゴミに囲まれたゴミ部屋から自力で脱出する方法をお話してきました。
いろいろと書いていますが、もっとも重要なことは「最後までやりきる覚悟」を決めることです。精神論になってしまいますが、結局のところこの覚悟さえあればなんとかなります。