熊本県上益城郡御船町でゴミ屋敷片付け(2年越しの片付け編)
弊社アークサービスは、ゴミ部屋清掃と遺品整理を専門で行っている業者です。今回は、熊本県上益城郡御船町のマンションにお住まいの30代女性、N・S様よりご依頼いただいた時の事例を紹介します。
1回目のご相談
あるとき、無料メール相談の窓口からN・S様よりご相談をいただきました。このときの内容を、ほぼ原文のままご紹介します。
「はじめまして。御船町にあるマンションの片付けをお願いしたいと思い、ご相談させていただきました。とても恥かしい話なのですが、以前住んでいたマンションをゴミ屋敷状態にしてしまいました」
「仕事のストレスから精神的に疲れてしまい、何も手につかなくなりました。そして、ゴミ屋敷状態の部屋を放置し、逃げるように今住んでいるところへ引っ越しました」
「そのため、以前住んでいたマンションは、未だにゴミだらけで家賃をずっと払い続けている状態です」
「この数年間、以前のマンションのことが気がかりで、心が晴れたことがありません。どうしても勇気が出ず、こうして相談するまでにとても時間がかかりました」
「以前のマンションは、私にとって嫌な思い出ばかりが詰まった部屋です。そのため、そのマンションの近くに行くことが恐怖でしかありません」
「今回、一念発起して御社へご相談させていただきました。どうぞ、お力添えをよろしくお願いします」
N・S様は、このような深い悩みを持った方でした。非常に丁寧な文章で、弊社にご相談いただくまでの経緯が事細かに記されていました。
ご自身の身の上を話してくださる方の場合、長年誰にも相談することができなかった方であることが多いです。勇気を出して相談する際に、これまでの苦悩が次々と表に出てきてしまうのです。この苦悩が、言葉や文章として表れていると感じます。
実際に、電話でのご相談の段階でも「話したことで少しスッキリした」と話してくださる方もいらっしゃいます。
このように、勇気を振り絞って弊社を頼りにしていただいたからには、なんとしてでもそのお悩みを解決したいと思います。
N・S様からのメールに、「対応可能であること」、「部屋の状態を確認させていただきたいこと」、「ご希望があれば、できる範囲で対応すること」、「些細なことでも、気になることがあればお答えします」という内容で返信しました。
しかしこのあと、この返信メールにお返事をいただくことはできませんでした。
2回目のご相談
1回目の相談メールをいただいて、1年と半年が過ぎた頃です。N・S様から、2回目の相談メールをいただきました。N・S様のことは良く覚えていました。メールの内容は次のようなものでした。
「1年以上前にご相談させていただいたものです。丁寧なお返事をいただいたにもかかわらず、放置してしまい申し訳ありませんでした」
「あのあと、どうしても勇気が出ず、行動することができませんでした。しかし、このままではいけないと再度考え直し、恥を忍んでメールいたしました」
「今回こそ、何とか終わらせたいと思いますので、どうかお力添えをお願いいたします」
このような内容のメールでした。今回のご相談では、以前のメールよりも「悩みを解決したい」という決意を感じました。
現在ゴミ部屋でお悩みの方にとって最も難しいことは、恥かしい気持ちを抑えて「相談すること」です。ゴミ部屋の清掃自体は、弊社にお任せいただければ簡単に解決できます。しかし、そのためにはまず相談しなければ始まりません。
勇気を出して相談してくださったN・S様の心情を汲み取り、弊社から「どのようにすればお悩みを解決することができるか」を誠実にご提案しました。
しかし、「今回で終わらせたい」という決意をされていたにもかかわらず、今回も弊社からの返答に対するお返事が返ってくることはありませんでした。
3回目のご相談
2回目のメールから、さらに半年ほどたったころ、N・S様から3回目のご相談をいただきました。このときの内容は、次のようなものでした。
「前回、前々回と、誠実な対応をしてくださったアークサービスさんに対し、不誠実な対応をしてしまい申し訳ありませんでした」
「あのあと、自分で片付けができないものかと、勇気を出して部屋を確認しました。しかし、記憶以上に不要品があり、とても私では片付けられない状態でした」
「マンションを放置して7年にもなりますが、以前のご相談からさらに放置したことによって、家賃などもかさみ経済的にも苦しくなっています。常にあの部屋のことが気になって、心が晴れません」
「部屋の様子を写真に撮ったので、確認してください」
「実は、来月から他県に出る予定になっておりまして、時間にあまり余裕がありません。尻に火がついた状態でようやく重い腰を上げています」
「勝手ばかり申し上げてすみません。ご返答お待ちしております」
このような内容でした。このとき送付していただいた写真は、次のものになります。(写真は加工しています)
これまで、どうしても片付けすることができなかったN・S様でしたが、何らかの事情で引越しを余儀なくされ、再度弊社へご相談いただいたのでした。
N・S様は、結局自分の意思で片付ける勇気が出なかったようです。「引越し」という強制力を利用しなければ、行動できませんでした。ただ、このような方が多いのは事実です。部屋を汚してしまった本人にとって、それほどゴミ部屋問題は深刻なのです。
弊社が初めてご相談を受けてから、およそ2年が経過していました。そして、N・S様がマンションを放置して実に7年もの歳月が経っていました。7年もの間、部屋のことが気になって心が晴れない生活をするのは、どれほど辛いことだったでしょうか。
また、現実問題として、7年間家賃を無駄に支払ってきたことになります。ざっと計算してみると、家賃50000×12ヶ月×7年で420万円もの大金を無駄にしています。せめて、始めてご相談をいただいた2年前に勇気を出していれば、120万円は無駄にすることはありませんでした。
今回も、「対応可能である」ことをお伝えしました。ただ、前回、前々回と返事をいただけなかったこともあり、半信半疑でメールを送った記憶があります。
すると、今回はその日のうちに返答をいただくことができました。このことからも、相当お困りの様子であることがわかります。弊社から作業内容を詳細にお伝えし、写真の内容から概算でお見積りまでご提案します。
作業内容と料金にご納得いただいたようで、始めてご相談をいただいてから、2年目にしてやっと正式なご契約となりました。
作業内容
お約束の日に、熊本県上益城郡御船町のマンションに向かいます。ここで初めてN・S様と対面することになりました。しかし、その表情はとても暗く、目を合わせることもできないくらいに緊張していらっしゃいました。
話しかけても、頷くことが精一杯の様子です。あとからお話を聞いたところによると、「不誠実な対応をしてしまった後ろめたさから、目を合わせることができなかった」と話してくださいました。
現場は、エレベーターなしのマンションです。しかも、部屋は5階にあり、かなりきつい現場であることが予想されます。N・S様と一緒に、現場を確認します。
ここで、作業内容を再確認し、貴重品以外は全て廃棄ということになりました。N・S様は、「ここにいるだけでも辛いので、全てお任せします」と話され、立会いはしないことになりました。
スタッフと共に、さっそく作業に入ります。部屋の片付けは慣れているので苦にはなりませんが、5階までの階段作業はきついです。体力に自信があるスタッフでも、半日階段の上り下りをすることは大変です。
この現場では、電気や水道が止まっているため、夕方までに終わらせなくてはなりません。適度に休憩を入れつつ、次々と不要品を搬出していきます。冷蔵庫の中も、生活していた当時のものが残っており、当然腐敗しています。これらのものもまとめ上げ、作業は順調に進みます。
日が傾いてきた頃、なんとか全ての搬出作業が終わりました。
次は掃除に入ります。今回は、引越し前にハウスクリーニングをするので、簡易清掃のみで良いことになっていました。しっかりと掃除を行い、暗くなる前になんとか作業を終了させることができました。
N・S様に作業終了の連絡をいれ、最終確認をしていただきます。部屋に入ってこられたN・S様は、長年の悩みがやっと解決したことで、数秒の間動くことができなくなっていました。目にはうっすら涙が溜まっています。
弊社から、最終的な説明を行っている間も、N・S様はあまり喋ることはありませんでした。もともと喋ることが得意な方ではないのかも知れません。最後に、お礼の言葉をいただき、現場を後にしたのでした。
後日、次のようなメールをいただきました。
「先日は大変お世話になりました。おかげさまで、とても気が楽になりました」
「こんなことなら、もっと早くにお願いしておけば良かったと後悔しています。本当にありがとうございました」
現場では、N・S様とはあまりお話はできなかったですが、丁寧なお礼のメールをいただき、今回の作業は全て終了しました。今回のケースは、私の中でも忘れることのできない事例です。
弊社では、さまざまな理由から、部屋の片付けができなくなった方を対象に「片付けサービス」を提供しています。どのような案件でも、誠実に対応させていただきます。気軽に相談することは難しいかもしれませんが、行動しなければ悩みは解決できません。ぜひご相談ください。
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