ゴミ部屋清掃で必ず出てくる油、缶詰、お酒の処分方法
片付けの現場では、中身が入ったまま放置されている数々の食品を目にすることがあります。中身が入っているものの処分はとても面倒ですが、適切に処分しないと大変なことになります。ここではいざ処分するときに困るものの処分について解説していきます。
油
油類は下水に流してはいけないことはほとんどの方がご存知だと思います。ではなぜ油を流すといけないのでしょうか?
それは詰まるからです。油を流すことにより、キッチン下にある排水トラップ(S字に曲がっている部分)に油がたまります。この油と食器洗いの際に流した洗剤が結合して、酸性石鹸というヘドロ状の物質に変化します。この酸性石鹸が蓄積し、排水溝や下水道を詰まらせる原因になるからです。
大量に流した場合、配水管にとどまらず下水道を詰まらせることもあり、油類は決して流してはいけません。
また、環境汚染にもつながります。油200ミリリットル(コップ1杯)を安全に川に戻すには、60t(浴槽200杯分)もの大量の水が必要です。生活排水は下水処理場の微生物がきれいにしてくれますが、大量の油は分解しきれません。分解しきれずに川や海に流れ込んだ場合、時間の経過とともに酸化され、水中の酸素を消費し、生物などに影響を及ぼすことが考えられます。また、オイルボール(油の塊)といった浮遊物となり腐敗して悪臭を発生することもあります。
以上の理由から油類は適切に処分することが大切です。処分の仕方は以下のとおりです。
・新聞紙やボロギレに吸わせて燃えるゴミとして処分
・油吸収剤や吸収パットを利用し燃えるゴミとして処分
上記に限らず油を吸い取るものであれば大丈夫です。液状のまま処分せず燃えるゴミとして処分しましょう。
缶詰
缶詰は中身が入ったまま捨てることはできません。缶詰をいったんあけ中身を出して分別する必要があります。固形のものはそのまま可燃ごみに出すことができますが、液状のものは新聞紙やボロギレに吸わせて燃えるゴミとして処分します。
たまにありますが、長年放置された缶詰は中身が腐敗し、そのガスで缶自体が膨張していることがあります。この場合少々勇気がいるかもしれません。内容物によっては穴を開けた瞬間内容物が飛び出してくる可能性もあるので、普通のやり方では危険です。
この場合オススメなのがビニール袋内であける方法です。ビニール袋にボロギレをひき缶詰をいれ缶切りで小さな穴を開けガスを抜きます。小さな穴であれば内容物が一気に飛び出してくることはありません。ガスが抜けてしまえば普通に空け、中身は燃えるゴミとして処分することができます。
空いた缶は少しでもいいのですすいで不燃ごみとして処分します。
調味料
スプーン1杯の醤油を川に流すと、魚が住むことができる水に戻すために500?の水が必要といわれています。環境のためには少量でも排水溝に流さないようにしましょう。ソース類、だし類、お酢類なども同様に排水溝に流さず新聞紙やボロギレに吸わせて燃えるゴミとして処分しましょう。
その他、味噌などのペースト状のものは自治体により生ごみか燃えるごみか判断が分かれるところです。問い合わせをして適切な方法で処分してください。
清涼飲料・お酒
ジュースやお酒はそのままキッチンに流すことができます。きついお酒だと躊躇することがあるかもしれませんが、どんなに強いお酒でも中身はただのアルコールです。薬品や油ではないので下水に流して問題ありません。中身を全て捨て容器は適切に分別してください。
炭酸飲料やビールなどの発泡系のお酒は常温であけると中身が飛び出してきます。注意していても飛び散る可能性が高いので汚れていい服であけるようにしてください。
また、一気に大量にお酒を処分する場合、アルコールのにおいが充満し、アルコールが苦手な方は気分が悪くなるかもしれません。このような場合はしっかりと換気をするか、外で作業をするようにしましょう。
お酒ではそうそうありませんが、長年放置されたジュースなどは内容物が腐りカビが混入していることがあります。なかにはどろどろのペースト状になるものもあり、そのままキッチンなどに流すとつまりの原因になることもあります。
ペースト状にまで腐敗したジュースは新聞紙やボロギレに吸わせて燃えるゴミとして処分します。においもきつく気持ち悪いですが、詰まって余計なお金がかからないようにしなければいけません。